定価

商売の基本は「安く買って高く売る」だろう。ものづくりの世界も経済とは全く無縁ではありえないし、建築などはクライアントの立場に立ってお金をマネージメントしながら作り上げていくために、それが顕著である。

一般的に「定価」というものは、ほとんど意味が無い時代になっている。メーカー側が「オープン価格」としているものも多々あるし、ネットを通じて製造→卸→小売というシステム自体が崩れかけているため、「商機！」とばかりに基本を抑えて商売をはじめる人も多い。

価格に関しては「どんぶり」かつ「ブラックボックス」であった建築の世界でも流通革命は起こっている。それまで蚊帳の外であった設計者も、今ではほぼ卸の値段で材料が調達出来るようになり、トータルなコスト削減への一つの手法としている。驚くのがその掛け率である。昔、冗談半分で「半値、八掛け、二割引」と言われていたが、定価の4割5割は当たり前、中には20％台の製品も多々あり、冗談ではなかったことが分かる。

このブログで商売は出来ない「規約」なのでしないが（笑）、やろうと思えばそのルートを使って今からでも商売がはじめられる。何故しないのかという理由は簡単である。既存の枠組みや人の作ったレールの上で今までと同じ商売をしていても面白くないし、仕事としての充実度を得ることは出来ないだろうから。Life is short, art is long.