路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・05.04】:駐日米大使先島視察 軍事利用拡大は許されぬ

2024-05-05 05:04:45 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・在沖米軍・オスプレー・普天間移設、米兵の犯罪】

【社説・05.04】:駐日米大使先島視察 軍事利用拡大は許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.04】:駐日米大使先島視察 軍事利用拡大は許されぬ 

 米国のラーム・エマニュエル駐日大使が17日、石垣市と与那国町を訪問する。陸上自衛隊駐屯地の視察や首長との面会も調整している。米軍は「人員輸送」を目的に新石垣空港と与那国空港の使用を県に申請している。大使訪問に関連するものであろう。

 駐日大使の先島訪問と首長面談は異例である。部隊派遣や訓練など、米軍の活動への理解を得る狙いがあるとみられるが、地域住民の平穏な生活に逆行するものだ。隣国との緊張を招くことになりかねない。慎重な行動と発言を求めたい。
 南西諸島の民間空港・港湾の使用拡大は日米両政府の既定方針だ。2022年12月に政府が閣議決定した安保関連3文書は民間空港・港湾を自衛隊が柔軟に使用する方針を明記した。23年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)はこの方針を日米双方に拡大することを確認した。
 さらに政府は今年4月、有事の際の自衛隊・海上保安庁による使用に備えて整備する「特定利用空港・港湾」に那覇空港や石垣港を含む7道県16カ所を選定した。
 このような流れの中で、先島における空港・港湾の軍事利用は一層拡大する可能性がある。23年9月に米軍の掃海艦、今年3月にはミサイル駆逐艦が石垣港を使用している。今回の両空港の使用申請はその一環と言えよう。駐日米大使訪問に名を借りた軍事利用拡大を容認するわけにはいかない。
 同時に注視しなければならないのは、自衛隊強化が急速に進む石垣、与那国を訪問する政治的メッセージである。2016年開設の与那国駐屯地、23年開設の石垣駐屯地の視察は、台湾情勢を念頭に自衛隊と米軍の連携をアピールし、中国を牽制(けんせい)する意図があると考えられる。
 20日には1月の台湾総統選で勝利した頼清徳氏が就任するという微妙なタイミングでもある。この大使訪問は中国を刺激することになろう。軍事的な緊張感が高まるようなことがあってはならない。さらなる自衛隊増強や有事を前提とした空港・港湾整備などの軍事拠点化が先島で加速することになりかねない。
 エマニュエル駐日大使は22年4月に来県し、玉城デニー知事と面談した際に「沖縄は日米にとって戦略的に重要な場所にある」との考えを示している。23年3月、日米同盟強化に伴う沖縄の基地負担増について報道陣に問われ、「自由で開かれたインド太平洋を守るための責任だ。負担ではない」と反論している。沖縄を含め「米軍と基地の所在市町村は非常にいい関係だ」とも述べている。
 在沖米軍基地による基地被害、県民の負担への認識が欠けているのではないか。同じような態度で石垣、与那国の軍事利用を迫るようなことは到底許されない。先島地方をはじめ沖縄は日米同盟の防波堤ではないのだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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