石ころ

ホタルの光 


 先日ふっと息子達の声が聞きたくなって、久しぶりに電話を掛けた。嫁さんの元気な声「お母ちゃん、どうしたの」
「別に何にも無いけれど・・落ち着いて暇になったら、気になってきただけ・・」
「ああ、それだったらよかった。」
なんてことで、とりとめもなくおしゃべりをしていると
「蛍を見に行きたいのだけれど、仕事が忙しくて・・」という。

そうだ、彼女は生ホタルを見たことがないって言っていたなぁ・・。
昨日、家の前から橋の下を覗いてみても見えなかったということで、「今年は居ないよ。水も少ないし・・」と伝えた。

後で主人に話すと「いや、居るらしいよ」ということで、次男を誘って少し上流に行って見た。
そう、ほんの少し行くと、ご近所の人たちも来られていて、わいわいとホタル見物をしておられた。

頼りない光をふわふわと漂わせ・・、それでもその光に笹の葉などが浮かび上がる・・。時にすう~と光の尾を引いて、手を伸ばせば届きそうな所まで迫ってくる。
闇の中に遠く近く・・上に下にと・・たゆとう幾つもの光、群れたり・・消えたり・・

それは闇が深いほど鮮やかである。本当にそう・・、闇の中でないと光は見えないものなんだ。
イエスさまの光が見えない時は、何処かにまだ寄りすがるものがあるのだろうなぁ・・。本当は邪魔な懐中電灯なんかを、後生大事に持っているのだろうなぁ・・。

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