ローズマリー(ヨーダ改め)

人形制作、大自然の恵みを頂いての手作り、日々の暮らしなど発信していきたいと思います。

ボケたふり

2023-11-02 | 実母の事

母の老後をみるということで

母の全ての財産と不動産から発生する収

弟が相続しています。

 

母は弟夫婦と同居していました。

粗末な扱いを受けているのでは?と思うことが何度かありましたが

私が口出しすると

弟嫁の母へのあたりが強くなるので、何も言えずにきました。

母は認知症を患っています。

弟夫婦は、母はもう全てのことが認識できなくなって

家族のこともすべて忘れ切って

会話することもできないし

何の感情もない。

食事も1時間以上かかっても、少ししか食べんし

糞尿も垂れ流しや、と紙オムツ着用させていました。

 

弟夫婦は母を見下し、ぞんざいに扱っているような気がして心配でした。

弟嫁はよく気が付き、抜け目のない人ですが

プライドが高く、全てを自分の思い通りにしないと

気が済まないタイプ

伯父たちや伯母からも

姉弟で揉めるもとになるから

母のことでは手出し口出しするな、とアドバイスされていたので

控えていましたが

弟は弟嫁に姑をお義姉さんにも看てもらえ

と言われたようで

母をうちに連れてくるようになり、うちでも度々、母を看ていました。

 

母が来ると、残り少ない母との時間を大事にしようと

家族も気持ちよく協力してくれました。

母は弟夫婦の言うようなひどい状態とは違って

うちではトイレも自分で出来るし

食事も皆と同じ時間で

和やかに会話も挟みながらほぼ完食でした。

忘れていることも多いけれど

昔ほど饒舌ではないけれど

会話もできました。

 

昔暮らした山郷の話題になると

『行けるものなら、もう一回行ってみたい。』と

しみじみ話す様子は

弟夫婦の言う重度の認知症とはとても思えませんでした。

その事を弟に言うと

 

アルツハイマー型認知症

自主的にトイレに行くこともなくなり

排泄、更衣などすべてに介護が必要である

   上記の通り診断します

 

と書かれた医師の診断書を見せられました。

 

うちの家族は

おばあちゃんはボケたふりしてるがや~!

と皆言いました。

 

 

その後、ブログでは書けないような

事が色々重なり

数か月前に、実母が特養ホームに入りました。

私は日を置かず度々面会に行き

ここは安心できる場所で

お母さんにひどいことをしたり、嫌なことを言ったり、困らせたり

悲しい思いをさせる人は一人もいない。

スタッフの方はみんな優しくて信頼できる方ばかり。

と、くり返し、くり返し話して聞かせました。

 

スタッフの方たちに相談しながら

肌の弱った母の為に、肌触りの良い脱ぎ着しやすい肌着や

尿取りパッドがしっかり装着できる肌に優しいパンツ。

ゆったり着られる1サイズ上の着心地の良い衣類

等も用意しました。

 

今では、スタッフの方や

入居者の方とも話ができるようになり

食事も完食の時が多いようです。

ここは、母の好物の差し入れも受け入れて頂けます。

居室からトイレまで少し離れているのと

歩くのが遅いので

パンツに尿取りパッドはつけていますが

トイレも問題ないようです。

弟夫婦と同居していた時は、いつもしかめっ面で

自分を守るように体の前で腕組みをして

身体を緊張させていた母が

今はとても穏やかな表情で

体もリラックスしている様子を見ると

スタッフの皆様のおかげだと思います。

心から感謝しています。

 

母が、もう一度飲んでみたい、と言っていた

昔住んでいた山郷で作られた

山の手もみ番茶が手に入りましたので

今日は朝からそのお茶を焙じて

 

美味しいお茶を作って持っていきました。

母はとても喜んでくれて、美味しいと

ゴクゴク、勢いよく飲み過ぎてむせてしまいました。

 

私が帰る時は

『また来てね~。

『待ちゆうきね。』

『気を付けて帰りよ~。』

と手を振って見送ってくれました。

 

広い共有エリアの端で振り返ると

まだ手を振ってくれていました。

旅立つその日まで元気でいてくれますように・・・。

と祈るような気持ちでもう一度手を振ってホームを後にしました。

 

 

今日もご訪問ありがとうございます。