天瀬ひみかのブログ 『不思議の国のAmase』 AMaSe IN WONDeRLaND

僕たちの旅、ここではないどこか、幸福な場所へ。

ホタルの話

2014-07-07 05:26:27 | 日記
窓辺にホタルが来た。我を忘れて、明滅するその命の光をしばらく眺めやる。

「一寸の虫にも五分の魂」というのは嘘だと分かる…私の沈黙と夜のしじまのあわいで発光するその確かなシグナルに静かに耳を傾けてると。

この世の現と幻の谷間を漂う、私の心と夏のホタルの夜間飛行。

今の人々が軽んじ失いつつある自然の神秘と宇宙からの啓示。それでも尚、押し殺した私の息よりも早く滅びてしまいそうな、それらか細く名も無いこの地上の星たちと、夜空の彼方に煌めくあの星たちに、何の違いも無い。

“ Infinity Stars of Infinity Space ”

今宵、ホタルの光の中にそっと包まれていた女神イシスからの愛に満ちたメッセージ。私はその真理をギュッと抱きしめる。たとえそれに形が無くとも。この胸に抱きしめたその光の温もりが、私の中の小さな想いを勇気づけ、強い確信に変える。

汚れなき魂は、どんなに小さく見えたって五分なんかじゃない。それは宇宙と、無限と、それらを造り出した偉大なる一者と、永遠に一つなんだ。

崖の話

2014-07-07 04:54:46 | 日記

あの日、私は、恐ろしく高い崖の上から落ちた。次の瞬間、そこにあるべき大地の感触を失った私の足先は、遥か下方へ広がる底無しの空に、為す術も無くどんどん吸い込まれていく。

「ああ、私は死ぬんだ」気持ち悪い浮遊感の中、私はそう思った。その後の記憶はない。あれからどの位の時が経ったのだろう。目を覚ました私が居たのは全く知らない場所だった。そこで私が見た懐かしい自分の体、手、足。…何故だろう。そのどこにもかすり傷一つ付いていなかった。私にはその理由が分からない。あの最後の日の出来事、ひょっとしてあれは夢だったのか。頭の中にそんな自問が巡った刹那、私はあの声のことを思い出した。「わが愛する子、サンダルフォン。もしお前が高い崖から落ちることがあったとしても、私はすぐに天使たちに命じてお前の足を支えさせ、かすり傷一つ付かないようにしてやろう。」そうだ、あの優しく力強い声は、確かに私にそう言った。