いまどきの
アリスとあらば
時を越え
不思議Deコード
チェシャ猫の笑み
秘未歌
風に舞ふ
葉隠れの家に
神降りて
うらの告げしは
いろは散りぬる
秘未歌
宵待ちや
明けの檜と
なることも
恣せずただ身を
神に預けて
秘未歌
禅定も
三昧もなき
自然花
人は田に毒
野焼煙らせ
秘未歌
黄泉つくに
神も毛物も屍に
往く渡世ひとの
逝くも近しや
秘未歌
色欲に
明け暮る人の
世の隅に
木の花咲く夜
秘め人知れず
秘未歌
露草が
差し出す玉の
一滴を
飲める虫ゐて
世はありつらむ
秘未歌
梅雨霧に
鳴ける鶯
細し音の
糞にも劣る
ひと醜くくも
秘未歌
まほろばの
虚に浅間敷
人の世を
哀れむとなく
鳥ただ鳴かむ
秘未歌
ことだまの
奇しき声を
聞かざれば
多聞ありとも
ひと罪深し
秘未歌
喉元を
過ぐらば捨つる
真理なら
いっそ息止む
毒とならまし
秘未歌
空蝉や
蝶も毛虫も
時来らば
脱け発つ
人はさにあらじしも
秘未歌
美は遠く
届かぬ月か
ひとの世は
夜より涅く
けふも暮れなむ
秘未歌
あの星が
消えても君を
思う火の
愛立ち消えぬ
永遠の夜の底
秘未歌
天の川
恋しと泣きて
吾が胸の
秘めたる小川
けふせせらげる
秘未歌
星となり
君とふたたび
逢ふ道の
解き方探す
星読みの夜
秘未歌