ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

春の沈黙

2020-05-06 17:32:57 | ジョーク
春の沈黙
 
不都合な都合のせいで、不自然な自然の始まり。
 
 静かな湖畔の森の陰から
 見たこともない鳥が鳴く
 不格好 不格好 不格好 不格好 不格好
 
川の中でも異変が起きている。
 
 メダカの恰好は 変わったか
 そっと除いて 見ないふり
 そっと除いて 見ないふり
 みんなでお遊戯しているよ
 
世界中、猛暑日。
 
 モアイの地 モアイの地
 僕らは熱帯の風に吹かれて
 病んじゃうよ
 
夜でも。
 
 夏は扉を開けて
   フレッシュ フレッシュ フレッシュ
 
 
昼は、冷やっこいの。
 
 ヤーレン 素麺 冷麺 冷麦 ずるずる
 
紅茶に氷を。
 
 骨まで 骨まで 骨まで 
 アイス・ティー 沁みるのよ
 
政府広報。
 
 寝坊して
 すごく すごく寝坊して
 ただ眠りたいだけなのに
 ぐう ぐう ぐう ぐう
 涎が垂れちゃうんだろう
 ぶらぶらするのを 避けよう
 肺病予防
 
物資が不足する。
 
 お手々 繋いで 野道を行けば
 靴がない
 
異人さんの靴なら、まだ売っていた。
 
 高い靴 履いてた女の子
 行っちゃった
 今では ひどい目にあっちゃって
 いるんだろう
 
 高い靴 高い服 高い部屋
 考える
 
おやつが足りない。
 
 さっちゃんはね
 バナナを半分も 食べられないよ
 かわいそうね
 
リンゴも食べられない。
 
 赤いリンゴの皮だけくわえ
 黙って見ている青い空
 リンゴは皮でも リンゴだけれど
 リンゴのうまさが わからない
 リンゴ 皮 いや
 皮 いや リンゴ
 
酒飲みだって、かわいそう。
 
 ちょいと一杯のつもりが つもり
 
保存食もない。
 
 欲しいものは 干し芋
 見つけにくい 干し芋
 這いつくばって 這いつくばって 
 一体 どこに 干し芋 干し芋
 まだまだ探しますよ
 探すのを止めたとき
 飢え死にするのも よくある話で
 腹の中へ 腹の中へ
 入れてみたいお芋ありませんか
 干し芋 干し芋 干し芋 干し芋 
 
隠していたのに見つけられる。
 
 これが最後のどら焼きなのに
 私の財布は すぐ底なのに
 
保存食は貴重。
 
 食べるな 腹が減っても
 
食欲の秋、腹の虫は鳴きやまない。
 
 あれ 泣き虫が 泣き出した
 ああ おもしろい 虫の声
 
炊き出し。
 
 飢えに怯えて 歩こう
 お粥が こぼれないように
 ひとりぼっちの夜
  
すぐに飲み込むのは惜しい。
 
 もぐもぐ 噛めよ よく噛めよ
 
残飯もない。
 
 くれない くれない
 何もくれない くれないホテル
 
虫の息。
 
 お菓子屋の飴を舐め舐め
 このまま 死んでしまいたい
 
乳児死亡激増。
 
 かわいいベイビー
 位牌 位牌
 
意識高い系も無力。
 
 ワールド・イズ・オーヴァー 泣くな グレタさん
 終わりにしよう 金がないから
 
決定的だったのは、温暖化ではなく、その後。
 
 おろおろするなよ 氷河期が来るぜ
 
責任転嫁。
 
 燃える太陽 夏なのに 何で冷たい
 誰のせいでもありゃしない
 みんな みんなが悪いのさ
 
いがみ合う人々。
 
 憎い 口惜しい 憎い 口惜しい
 凍え凍えて 今に死ねばいい
 雪 雪 降れ 降れ もっと降れ
 やつらの背中に降り積もれ
 
露西亜の奴隷が氷を切り出す。
 
 えい 氷 えい 氷 もう一つ えい 氷
 
露西亜の下級女子は北方四島を経由して北海道に逃げこむ。
 
 青い目をしたお人形は 
 シベリア生まれのセルロイド
 淋しい日本の兄ちゃんと 
 仲よく遊んでやっとくれ
 
月夜、廃墟と化した工場でパーティーが開かれている。
 
 春を売ろうと 花の宴
 めくるスカート 禿 伏して
 見ようと待つが 暗すぎる
 昔の光 今 いずこ
 
大停電。
 
 街の明かりが みんな消えたね
 横浜 ダーク・ナイト 横浜
 
ヒーローの登場が待たれる。
 
 鉄格子 潜り抜け
 見上げる真夜中の空に
 誰も映さないバット・マーク
 私はジョーカー待ち
 
分断そして排除。
 
 きのうまでのごろつきを 処分 処分
 笑ってないとも
 ない友 ない友
 ないトモロー
 
警官がごろつきになる。
 
 迷子の 迷子の お巡りさん
 あなたのおうちはどこですか
 名前を聞いても答えない
 元犬のお巡りさん
 怒ってしまって
 バンバンババン バンバンババン
 
希望を捨てるなと大人たちは嘯く。
 
 だけど うるうる うるうる うるうる 
 あしたは きっと 何もない
 あしたは どっちらけ
 
自業自得。
 
 進歩の階段 落ちた
 おまえはもう 死んでるのさ
 幸せは誰かがきっと 運んでくれると信じてたね
 症状だったと あの頃を 思うときが来たのさ
 
実も蓋もない。
 
 あの頃 君は ばかだった
 
捻りなさい。
 
 みすぼらしい あの頃
 ばかくせえ時代
 
火星移住計画、失敗。
 
 さらば 火星よ
 さらば 土星よ
 さらば 太陽
 旅立つ船は 
 地球生還 やめた
 
解決策、誰か、見つけて。
 
 誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが
 誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが
 誰かさんが 誰かさんが…… 
 
自殺者が増える。
 
 逝っちっち 逝っちっち
 何で 何で 何で
 どうして どうして どうして
 逝っちっち 逝っちっち
 淋しい夜は いやだよ
 僕も逝こう
 逝っちっち 逝っちっち
 
疫病が疾風のように現われて疾風のように去ってゆく。
 
 どこの誰かは知らないけれど
 誰もがみんな死んでいく
 
安楽死の是非を問う。
 
 いつまでも どこまでも
 僕を頼りにして
 倒れそうになったときは
 殺してあげる
 
勝者はいない。
 
 人 負け 負け
 人 負け 負け
 
最後の人間が歌う。
 
 最後の最後まで 人は人を苦しめた
 そして 今 翼に身を委ね 私も旅立つ
 
おや、何か、動いたぞ。
 
 雪の降る街を 雪の降る街を
 AIだけが通り過ぎて行く
 
氷河期にも春は訪れる。しかし――
 
 蛙の歌が 聞こえてこない
 
大気汚染がなくなって澄み渡った大空に円盤が現れる。
 
 もしかしたら もしかしたら
 地球の男に
 アッホー! 
 
(終)

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