チビのおしゃべり日記

お星さまになったチビへ
どんぐり母ちゃんが語りかけます。
ねえ、チビ・・・聞こえる?

血管が見えない・・・迷う点滴針。

2017年08月06日 | 日記
キッチンのテーブルの上に鎮座している小さな丸い粒。
姿形はとても可愛いのですが、性格は頑固で融通が利かない。
治療薬としてだけ作用すれば良いものを、
どんぐり母ちゃんの心の隙間に入り込み、これでもかと副作用をまき散らす。
そして前向きになろうとする気持ちまで阻止してしまう。

いっそ噛み砕いて、のみ込んでやろうと思うけど
そこまでの勇気はなく、水で優しく喉の奥へと流し込んでます。

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【脳神経外科病棟】

この病棟には40名ほどの看護師がいました。
それぞれ二人一組になって患者の治療や経過を見て回ってます。

『血管が見えない・・・』どんぐり母ちゃんの腕をさすりながら
一人の看護師がつぶやきました。

点滴の針は、数日置きに交換されます。
どんぐり母ちゃんも手術から12日目。この日は3回目の針の交換日でした。
炎症を防ぐ為、針を刺す場所も変えます。

採血の場合は関節の内側の浮き出た静脈に刺すため
簡単に刺せて痛くありませんが、
点滴は針を数日間固定するため曲げる場所には刺せません。

その為、針が固定できる腕の関節から手首の間に刺します。
ところが、どんぐり母ちゃんの静脈は細くて見えずらいのです。
その為、前の交換の時は何度も刺し直され痛い思いをしました

『どんぐりさん、少しお待ちくださいね。点滴の得意な看護師呼んできます!』
そう言うと、一人の看護師が足早に病室を出ていきました。

代わりに現れたのは、見るからに優しそうな面立ちの若い男の看護師さんでした。

うふッ・・・またしてもイケメンじゃん!どんぐり母ちゃん思わずニンマリです。

『どんぐりさん、大丈夫ですよ。まだ刺してませんからね。
えーっと、この辺かな、あ~血管細すぎるな~大丈夫、まだ刺してませんからね・・・』

大丈夫と言われても無性に不安になってきました。
頼むから一発で決めてくれ・・・思わず心の中で叫びました

『よしッ、ここだ!チクッとしますからね。ガマンして下さい』

イデ~ッ!!思わず叫んでしまいました。
チクッとなんて生易しい言葉では有りません。まるで奥深くブスッ!とした感じです。

そして不安が的中。
看護師が部屋を出て間もなく痛みがでてきたのです。
なんと針が血管に入ってなかったのです。

当然、腕の中の液が漏れ出します。みるみる腫れあがってきました。
もう、泣きたい・・・

再度、刺し直しです。
そして次に現れたのが、わが故郷出身のアイドル!
渡辺直美似のぽっちゃり美人!!

迷うことなく、力まかせに刺されそうです。
もう恥など捨てて大泣きしたい心境です

ところが、このぽっちゃり美人が素晴らしく上手かった!
そーっと腕を触ったかと思ったら、ためらう事も無く一気に刺し終わってました。

どんぐり母ちゃんの目は羨望のまなざしです
一気に渡辺直美似のぽっちゃり美人のファンになりました。

そして、どんぐり母ちゃんは学習しました。
イケメンだからと外見に惑わされては痛い目に合う事がある。
その事をシッカリ肝に銘じました

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前回の投稿から、ずいぶんと間が空いてしまい本当に申し訳ありません。
次回は、入院編の最終章として投稿させて頂きます。