読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

今野敏著「探花 隠蔽捜査9」

2024-04-29 | 今野敏
シリーズ9弾。神奈川県警刑事部長となった竜崎のもとに現れた、同期入庁試験トップの八島という男。福岡県警から赴任してきた彼には、黒い噂がつきまとっていた。さらに横須賀で殺人事件が発生、米海軍の犯罪捜査局から特別捜査官が派遣されることに・・・。横須賀~福岡のフェリー就航に端を発した殺人事件。表題の「探花」は紫色のバラ探しかと思ったが中国の科挙において、第3位の成績だった者の名称のことらしい。首席及第者の「状元」で、第2位及第者の「榜眼」。もっと日米地位協定のことが深堀されるかと思ったが問題点指摘だけで終わり残念だったが、ポーランド留学中の息子との音信不通問題や八島、伊丹のキャリアの思惑が絡み事件解決までの展開は、さすがに面白く、いつも通りの竜崎の思考と行動力、竜崎節は痛快だった。
2022年1月新潮社刊
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西方ヶ岳、栄螺ヶ岳登山

2024-04-26 | 
連休前の混みあわないうちに一山と久しぶりのマイカー登山。福井県敦賀半島に
原子力発電所と水島を見に常宮神社から登り西方ヶ岳から栄螺ヶ岳へ雨上がりの曇りだった天気も栄螺ヶ岳の絶景スポットに立つ時には青空に一日3本の1時29発のバスに間に合うように浦底登山口に下山。帰りは道の駅、伊吹の日帰り薬草風呂に入り帰宅。歩行時間5時間歩行距離11k高低差980m
サザエ岳から水島
カモしか台から敦賀原子力発電所
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東野圭吾著「マスカレード・ナイト」

2024-04-22 | 東野圭吾
マスカレードシリーズ第3弾。練馬のマンションの一室で若い女性の他殺体が発見された。ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに犯人が現れるという密告状が警視庁に届く。新田浩介は潜入捜査のため、再びフロントに立つ。コンシェルジュに抜擢された山岸尚美は様々な要求のお客様への対応に追われていた。華麗なる仮面舞踏会が迫るなか、捜査本部が立ち上り厳重な警戒態勢の中、顔も分からない犯人を捕まえることができるのか・・・ホテル最大の危機に名コンビが挑む展開。ホテルのコンシェルジュの仕事って大変。自分だったらとても出来そうもない。個性豊かな登場人物たちの人物描写も面白いし、誰もが怪しい動きをするなかクライマックスを迎えるが犯人が・・・。キムタク・長澤で実写映画化もされているそうだから見てみるかなぁ~
2017年9月集英社刊


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今野敏著「遠火 警視庁強行犯係・樋口顕」

2024-04-19 | 今野敏
事件解決愚直に走る平凡な男が輝く、警察小説シリーズ。現代日本の歪みを照らし出す社会派ミステリー。東京・奥多摩の山中で全裸の他殺体が発見された。警視庁捜査一課の樋口班は現場に急行。調べを進めていくと、殺されたのは渋谷署の係員が職質をしたことがある女子高生で、売春の噂があったことが判明する。樋口顕は被害者の友人である美人女子高生成島喜香に呼び出されて戸外で面会。すると、その様子を撮影した何者かによってインターネット上に写真を流され、同僚やマスコミから、あらぬ疑いをかけられてしまう。名刑事が陥った最大の危機。罠を仕掛けたのは女子高生なのか、秀でた能力があるわけではなく、他人を立てることを優先し、家族も大切にしながら、数々の難事件を解決してきた樋口。どうやって事件の真相に辿り着くのか。女性の貧困、性の商品化、SNSの悪意、親子関係の変質・・・。樋口の姿勢、自己の心に正直に向かい合って生きることのむずかしさと大切さがよくわかり、一気読み出来た。
2023年8月幻冬舎刊


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笹本稜平著「流転 越境捜査」

2024-04-16 | さ行
21年11月死去された著者の最後の越境捜査シリーズ第9弾。神奈川県警の小悪党刑事宮野裕之は川崎競馬場で負け続けての帰り、国際指名手配されている木津芳樹を見つけた。
木津は12年前の都下の奥多摩で起きた富豪一家惨殺事件の教唆犯である。事件直後20億円が匿名口座に移行され略取された時の犯人が帰って来たのだ。さっそく警視庁捜査一課で迷宮入り事件の継続捜査を担当する鷺沼が捜査に乗り出す。鷺沼智哉・宮野・三好・井上・山中彩香・福富、いつものタスクフォースの面々が活躍する展開。宮野が仕入れてきた行方不明の20億円を過去の事件を暴きながら探し求める。仮想通貨の仕組み等がよく理解出来ないまま最後に経済的制裁でお金を得た人が意外でしたが、好きなシリーズだったのでこれが著者笹本さんの作品の最後でもう読めないと思うとやっぱり寂しい。・・・『合掌』
2022年4月双葉社刊


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柚月裕子著「教誨」

2024-04-13 | や・ら・わ行
主人公は吉沢香澄33歳。長く勤めていた会計事務所の退職と他への転職が決まりその合間の休みをどうしようかと思っていた矢先、小学生のころ一度だけ会話をしたことがある
母静江の従姪の死刑囚三原響子の遺骨と遺品を東京拘置所に貰い受けに行くところから始まる。幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉・・・「約束は守ったよ、褒めて」響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を
三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく・・・
2006年の秋田児童連続殺害事件をモデルに書かれた話らしい。「響子が犯人であることは事実だ。だが、事実と真実は違う。・・・なかにこそ響子が起こした事件の真実がある」(P301)祖母と母と娘の負の連鎖、小作人と地主の関係が続くような親戚関係田舎の窮屈さ、男達の無責任さに無性に腹が立った読後感でした。だが何故そんな田舎に帰りたかったのかが理解できなかった。
2022年11月小学館刊

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吉野で桜ハイキング

2024-04-10 | 
吉野山千本桜を見にJR青春18切符と近鉄を乗り継いで吉野に。沢山の一般観光客、外人観光客をかき分け近鉄吉野駅から中千本をみながら青根ケ峰(857m)迄、西行庵、7分咲き奥の千本を帰りに巡って往復登山。小学校の時の遠足以来の訪問で感慨深いハイキングになりました。名古屋から京都経由往復9時間のJR、近鉄内3時間は座れず疲れました。
歩行距離15k歩行時間5時間高低差880m。

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麻宮好著「母子月 神の音に翔ぶ」

2024-04-09 | ま行
時代劇ミステリー。江戸市村座の公演中に毒殺された歌舞伎の立女形の初代瀬川路京。あれから34年、女形の歌舞伎役者・二代目瀬川路京は人気低迷に足掻いていた。天に授けられた舞の拍子「神の音」が聞こえなくなっていたのだ。路京は座元と帳元の強い勧めもあり、現状打破のため、因縁の演目を打つことに。師匠の初代路京が舞台上で殺され、さらに瀬川家が散り散りになったきっかけの「母子月」だ。当時子役として自分も出演した因縁の公演を前にして、初代殺しを疑われた者たちが集まってくる。真の下手人は誰なのか?初代はなぜ殺されてしまったのか?終幕に明かされる真相に感動の嵐が・・・。特異な厳しい世界でもある歌舞伎の世界・芝居小屋の様子が詳しく描かれて面白い。過去の回想シーンが何度も挿入され登場人物の幼称名が結びつかず読むことに苦労したが、歌舞伎界主人公を陰ひなたで見守る、初代路京の息子の心の機微な描写がいい。
「何かを選ぶってことは、何かを捨てることだろう。」(P295)
2024年1月小学館刊
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岩倉市五条川桜祭を歩く

2024-04-07 | Weblog
2024年度満開の桜を観に岩倉市の桜100選 (約1500本)に選ばれた桜並木を歩いて来ました。大変な人出、ここも外人が多く中国語、韓国語、他いろんな言葉が聞こえてきます。桜並木をバックにウエディング写真を撮るグループが2組。何やら民族衣装やコスプレの被写体が何組か。車椅子やベビーカー、犬を連れたカップルや屋台あり出店も出て混雑で歩きにくい。のんぼり洗いの実演も有りで桜堪能の2時間散歩でした。桜祭、ライトアップは7日迄。

のんぼり洗い

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佐野広実著「私が消える」

2024-04-05 | さ行
2020年第66回江戸川乱歩賞受賞作。元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘祐美にも迷惑はかけられない。途方に暮れていると、祐美が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいて、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていく。自分自身も軽度認知症碍と診断された訳ありの元刑事が競馬で当てた資金を使い活躍する社会派ミステリー。身元不明の認知症患者が何者かということがわかり始めるまでは、ゆっくりとした地味な展開が続きますが、過去の陰謀が明らかになる展開後は、派手なドンパチや適度などんでん返しもあり文章の旨さに最後まで飽きずに読めました。「記憶がポロポロとこぼれ落ちて行ってしまい、なにもわからなく直前、最後に残される記憶は、いったい何だろうか、と。・・・それこそがその人間が生きた証しでもあるように感じる。」(P276)
2020年9月講談社刊

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摩耶山、布引の滝

2024-04-03 | 
18切符利用しての六甲2回目、今日は神戸、摩耶山。JR灘駅から青谷道登山口から摩耶山掬星台ㇸ。神戸夜景の名所。昼間でも神戸市内大阪湾を展望。帰りは天狗道下り滝山城跡登山口へ下山。古に有名な布引の滝を見てJR三宮迄。帰りもJR快速を乗継帰名。往復JR乗車時間7時間弱たっぷり乗り鉄を味合いました。歩行時間6時間約14k高低差1025m
布引の滝は、新神戸駅の山側の生田川中流にかかる滝で、「日本の滝百選」に選ばれるほか、那智滝(和歌山県)、華厳滝(栃木県)と並び、「日本三大神滝」の一つとされる名瀑。
布引の滝は1つの滝ではなく、雄滝(おんたき)・雌滝(めんたき)・夫婦滝・鼓ヶ滝(つつみがだき)の4つの滝の総称で、なかでも最も上流にある雄滝は高さ43mで、見ごたえ十分。古の名所で、『伊勢物語』『栄華物語』など多くの文芸作品で紹介され
1872(明治5)年にはこの滝を詠んだ和歌36首を選び、歌碑が立てられたが現存は26首。
松の音
琴調ふる山風は
滝の糸をやすげて弾くらむ(紀貫之)
布引の滝のしらい と
なつくれば絶えもすや人の山ぢたづる(藤原定家) 



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相場英雄著「レッドネック」

2024-04-01 | あ行
表題のレッドネックとは米合衆国の南部やアパラチア山脈 周辺などの農村部に住む、保守的な貧困白人層を指す差別用語である。職業は肉体労働者や零細農家が多い。プアホワイトやヒルビリーと同様に差別的な意味を含む言葉。物語は、都知事選を目前に控えた東京。水面下ではあまりに危険な極秘プロジェクト「レッドネック」が始動していた。「あなたは、一日何回スマホを見ますか」?米系大手広告代理店・オメガエージェントに勤務している矢吹蛍子は、バンクーバーに出張し、ケビン坂田という人物と会って欲しいという社命を受けた。クライアントが60億円ものフィーを支払う謎のデータサイエンティストケビンは、無事来日し、高田馬場に仕事場を構えるが、担当の矢吹にも極秘プロジェクトの中味は知らされずいた・・・。残念ながら主人公の矢吹にもケビン坂田にも登場人物の多くに生活感が乏しく感情移入出来ずイライラする展開で面白くはなかったが、SNSの怖さがわかる小説でした。自分たちが行動を起こしたように思えて裏では上手く操作されている。気づいていない弱者が搾取され気づかないうちに利用されている現状。結局フォーカスされていた情報弱者の集団は、操作側が狙っている集団の1つに過ぎないし、簡単に操作される情報弱者たちの姿が痛々しい。読後感は不完全燃焼の小説でした。
2021年5月角川春樹事務所刊
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