エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

羆(ひぐま)に注意

2021-03-15 08:14:53 | 旅行・地域

3年前、町の広報誌に「ヒグマ に ご注意ください」と、農政振興課から注意喚起がありました。 我が家から 10キロ程の畑で、農作業中に “ヒグマ” を目撃した言うのです。 本来、ヒグマの生息域でない北海道・南西部に出現するのは、20年振りだと思います。 冬眠から目覚めたヒグマは、相当に危険です。 不意に遭遇した場合、何が起こるか分からないので 心配です。 なぜなら “ヒグマ” は、本州で生息する “ツキノワグマ” より 3~4 倍大きく、人間が対抗できる野生動物ではないからです!

* 大正4年、体が大きくなり過ぎ 巣穴で冬眠できない“ヒグマ”(通称:穴持たず)が、道北・三毛別村(苫前町)で人を襲った「三毛別羆事件」が起きました。 空腹のヒグマが、食糧として 家畜 や 人 を襲ったのです。 結果的に、村人 8人が亡くなる惨事だった様です。
2016年、秋田県で “ツキノワグマ” が、山菜取りの男女 7人を襲い 4人が死亡し 3人が重症を負った事件もありました。

“ヒグマ” も “ツキノワグマ” も、人を襲うのは ごく稀な事です。 本来、気が弱く優しい性格の動物です。 しかし、人間は怖い動物と学習しているクマは、一度 人を襲う事で戒めが崩壊する様です。 「手負いの野生動物は危険」と言うのは 事実です!

◎「ヒグマ」と「ツキノワグマ」


・・・ 広報の内容 ・・・

ヒグマを目撃したした時や足跡を見つけた時は、町役場・警察へ連絡してください。

山登りやキノコ採りなどで入山・入林するとき 】   

◎ 家族や知人に行き先を伝える。人家の近くでも出来るだけ単独行動は取らない。

◎ ヒグマの動きが活発になる夕方・早朝・天気の悪い日は山に入らない。

◎ ゴミやジュースなどの容器は必ず持ち帰る。

◎ 音などを鳴らし(鈴や笛・ラジオなど)自分の存在を知らせる。

自宅の近くに山林があるとき 

◎ 家の周りにヒグマの餌となるような残飯などのゴミを捨てない。

◎ 家庭菜園の作物や果物は早めに収穫する。

万が一ヒグマに出会ったとき 

◎ 絶対に近付かない。

◎ 騒がない・走らない・ヒグマを興奮させな

◎ それでも近付いてきたら、目を離さず後ずさりしながら、ゆっくりと離れる。

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“広報誌” の注意喚起は、北海道民として知らなくてはならない教えです。 そんな良識を、時として無視する観光客が居ります。 珍しいと近付き、撮影したり餌を与える場面が多々あります。 余りにも危険です。 “ヒグマ” は逃げるのか?襲うのか?、その判断は野生にある(人間の感覚と違う)と お伝えします。 何が起こるか、分からないと言う事です。 “ヒグマ” を観察するのでしたら「登別」や「昭和新山」の “熊牧場” を推薦します。 体重 300~400キロの “山親爺”(ヒグマ)を、近くで 安全に観察できます!

本来 ヒグマ は、草食です。 「昔、北海道 が 蝦夷 と呼ばれた時代は、秋に産卵の為 川に遡上する シャケ を、鱈腹 食べる事が出来ました。 人間が増えた現在は、人里に降りる事も出来ません。 人に遭遇すると、忽ちハンターに射殺されます。 仕方がなく、山奥で 乏しい ドングリ や クリ を食べ、飢えを凌いでいます」 これが、ヒグマの実態です。 “山親爺” は、決して人を襲う “獰猛な動物” ではありません。 どうか「優しく見守ってください」      


2020-12-11 08:37:27 | 旅行・地域

◎「襟裳岬」

北の大地・北海道 は、至る所に 岬 があります。 恵山岬・雄冬岬・黄金岬・納沙布岬・・・、中でも 襟裳岬 は人気があります。 「“太平洋” 以外、右を見ても左を見ても何もない。 年から年中 強風で、観光もままならない」こんな贅沢は 他にありません。 歌手「森 進一」が歌う「襟裳岬」は、 襟裳の春は~何もない春です ♪  「何もない」から、雄大な自然を満喫できるのです!

◎「積丹岬」

私的には、積丹半島の 神威岬 がベストです。 雄大な景観は、襟裳岬を凌ぎます。 まるで巨大な恐竜が、日本海に向かって泳ぎ出すかの様です。 誰しも「女人禁制の門」(現在は女性もOK)を潜り、先端部に行きたい衝動に駆られますが、簡単ではありません。 急な階段を下りて 長い遊歩道(チャレンカの道)を渡り最先端に行くには、健脚が必要になります。 普段 四足頼みの私は、残念ながら往復する自信はありません!(己に喝)

◎「宗谷岬」
  

北海道の最北端(北緯45度31分)宗谷岬 は、雄大です。 43キロ先の “サハリン” の島影が見え、日本とは思えない旅情を体験できます。 利尻島 や 礼文島 は、目の前です。 “ヒグマ” であれば、利尻島まで 泳いで渡る事が出来ます。(昨年 生まれ故郷に戻った様です) 
なぜか、他の岬にある 陸地から伸びる小島(岩礁)が見当たりません。 おそらく 知床半島と同じく、数万年に及ぶ “流氷” の到来で、多くの岩礁が削り取られた思います。 自然は “偉大” です! 

◎「地球岬」

室蘭市に、地球岬 があります。 大胆な名称と思われがちですが、語源はアイヌ人が “ポロチケップ”(親なる断崖)と呼んでいたのを、チキュウと言い換えたもので “地球” は当て字です。  地球岬は、高さが 100m前後の断崖絶壁が 14㎞続く、北海道でもトップクラスの景勝地です。 
10㎞以上、人が侵入出来ない断崖は、津軽海峡を渡る野鳥達の休息地でもあります。 野鳥好きな方は、春または秋に徒歩で野鳥観察(撮影)する事をお勧めします。 渡り鳥を狙う、珍しい ハヤブサ に出会える可能性があります。 車で横断するのは可能ですが、車窓から景観を満喫する事は出来ません! 


大海を見渡せる “岬” は、自然に親しむ最良の “ポイント” です。 北海道で一番の “岬” はどこか? “岬” とは言いませんが「函館山」が “最高” だと思います!

◎「函館山」麓に“立待岬” あり 、山全体が “岬” かも知れません。


晩秋の「洞爺湖」

2020-11-03 08:25:54 | 旅行・地域
今年の北海道(道南)は、温暖で “初冬” に至っていません。 本州と同じ “晩秋” の様です。 寒暖差が少なく 中途半端な 紅葉 が、今でも見られるのですから、おかしな気候です。 これもまた、“地球温暖化” の影響でしょうか? 「暖冬異変」は、異常気象を齎す場合が多々あります。 来年の気候が心配です!
  
◎ 穏やかな「洞爺湖」中央が “中島”


洞爺(とうや)の語源は、勿論 アイヌ語 です。 “ト”(湖)・ “ヤ”(集落)ですので、“トヤ” が 正しい発音だと思います。 “ト~ヤ” と言っても問題はありませんが、アイヌ語で “洞爺湖” は「に接する集落の」と、変な日本語訳になります。 その洞爺は、戦後 北海道の観光地として人気がありました。 50年ほど前は、一年中 大盛況 でした。 しかし 洞爺湖温泉 は、常に爆弾を背負っています。 それは、暴れ山「有珠山」です。 1977・2000年 大きな噴火で、その都度 観光地の人出(客)を失うのです。 次の噴火は、目前に迫っているので不安です。

◎「有珠山」奥が 洞爺湖温泉街(伊達市から)
 
 
有珠山 は、1,000メートルに満たない低い山ですが、20~30年ごとに噴火を繰り返す 暴れ山 です。 過去の爆発で、大きな被害が出ています。 何が危険かと言うと、近くに 国道37号・高速道路・JR(室蘭本線)など 北海道の大動脈が寸断される事です。 2000年の噴火では、約 3ヶ月ほど不便な状況が続きました。 特に被害を被るのは、洞爺湖周辺です。 私も、何かと苦労しました。 兎に角、“新型コロナウイルス” より厄介?な 自然現象 です。 

◎「洞爺湖」高台から望む “中島”


 洞爺湖の中央に、“中島” があります。 無人島ですが、300頭程の “蝦夷シカ” が生息しています。 決して、何百年も前から住み着いていた訳ではありません。 新天地(エサ)を求め、泳いで 5キロ程の湖を渡った様です。 当然の如く エサが不足したり、繁殖期が近付くと若い雄は 泳いで中島を去るのが、自然の掟なのかも知れません? 洞爺湖周辺は、シカ や キツネ は多いのですが、危険な ヒグマ は(滅多に)出ません。 安心して、観光できます。
      
◎ 湖畔には、無数の彫刻が展示されています。 



 
支笏湖・洞爺湖(国立公園)は、真冬でも凍らない湖として有名です。 その理由は、湖の深さに関係がある様です。 面積は 琵琶湖に大きく劣っても、水の量は大差がないそうです。(それ故、凍結しない) 雪解け水が多いのが原因でしょうか? 水温は低く 綺麗です。 夏でも湖は 15℃程度ですから、キャンプに来ても 裸で泳ぐのは危険です! 

“新型コロナウイルス” の影響で、“洞爺湖” への観光客は激減しています。 お国の政策 “Go To トラベル” が始まっても、洞爺湖温泉街の客足は 伸びていません。 今は、中国人 も 韓国人 も来ていません。(狙い時です) 当地の観光関係者ではありませんが、有珠山 の噴火前に「是非 お出で下さい」     

「電車」か「列車」か

2020-10-10 08:04:54 | 旅行・地域
都会では J R の車両を「電車」と、親しみを込めて呼ぶ様です。 当然かも知れません。 日本の鉄道車両は、全 6万両の内 5万両 が「電車」なのです。 「電車」の保有 “世界一” しかしながら、 我々(田舎者)は「電車」と呼ぶ事に、少々違和感を覚えます! なぜなら 田舎を走る “ローカル線”は、“電気・モーター” で駆動する車両は 全く走っていません。 殆どの車両は “ジーゼル・エンジン車”で、電気を供給する “電線” も “パンタグラフ” もありません。 ですから、誰も「電車」とは言いません。 呼び方は「列車」です。 昔は「汽車」でした。
都会から来たと思われる “観光客” が、列車を指差し「電車・電車」と叫ぶのは、如何なものでしょうか?  「列車にパンタグラフが付いていない」と、言いたくなります!(笑) 
今時、S Lの様に “石炭” を燃料に走る “蒸気機関車” はありませんが、電気軌道を持たないローカル線の大多数は、現在でも “軽油” を燃料に走るジーゼル車です。「電車」は、都会にあって田舎にない“乗り物”です!

◎ 私が 通学で利用した SL(蒸気機関車)


私は、SLの晩年期に通学で 3年間、遅く(特急・急行を譲る為)・臭く(石炭の硫黄臭)・汚い(廃止前で老朽化)蒸気機関車で、片道約40キロを 2時間近く乗り鬱陶しい思いをしました。 当時の若者(自分)にとって、何とも退屈な時間でした。「二度と国鉄には乗りたくない」そんな感情が芽生えたものです。 事実、JRには殆ど乗りません。 ただし、新幹線や特急列車は意に反し利用します。 やはり 列車は、速い方が good!

◎「北海道新幹線」

2016年 、北海道に新幹線が上陸しました。 当初は盛り上がりましたが、数ヶ月で 応援熱も冷めました。 何せ、終着駅は道産子にも馴染みが薄い 北斗駅 なのですから、観光客は戸惑うと思います? 北海道の玄関である 函館市街 へ向かうのは、“北斗駅”から列車やバスで 戻る 必要があります。 函館を目指す観光客は、さぞかし“不便”と察します!

2030年を目標に、新幹線を 札幌市 まで延伸する予定ですが、それまで 北斗駅 で持ち堪える事が出来るか疑問です。 十数年後には、函館観光の “下車駅”・札幌に向かう “通過駅” に過ぎません。 “レンタカー会社” や “喫茶店” 程度が、客を迎える設備として限界です。 何もないのは、“殺風景・寂しい” の 極みです。 また JR 北海道が、今後平穏無事に会社経営を続けられるのか、事故や不祥事が余りにも多過ぎるので心配です。 何十年も続いた赤字経営を、“新幹線延伸” で 挽回できるのか? 甚だ 疑問です!

4年前、函館へドライブ&花見に向かいました。 幹線道路の渋滞を避け、多少遠回りでしたが山越えの道を選び、スムーズに函館に到着しました。 北海道新幹線の開通と桜の満開が重なって、函館は想像以上の賑わいでした。 函館山の麓の老舗すき焼き店「あさり」で弁当を買い、五稜郭で花見をしようと向かいましたが、大渋滞に遭遇し止む無く目的地を変更しました。 遠目に見る、五稜郭の桜は最高でした。 その後、北海道新幹線の終着・北斗駅に立ち寄りましたが、案の定 レンタカー会社があるだけで、観光客を受け入れる施設は全くありませんでした。 単に函館に向かう為の、乗り継ぎ駅・中継駅に過ぎないと感じた次第です。 帰り道、森町の地熱発電所を見学し、往復約 500キロのドライブを終えました。

JR は、都会の「電車」で “黒字”・田舎の「列車」で “赤字”、いずれ「電車」&「新幹線」以外は “廃止” になると思います。 一民間企業(JR)が “赤字覚悟” で、儲からないローカル線を維持できる筈がありません。 “打開策” は 只一つ、皆が “JR” を 積極的に利用する事です! 無理でしょうか?

「北海道新幹線」札幌着

2020-09-26 08:28:07 | 旅行・地域

2016年3月26日、北海道新幹線 が開通しました。 道民の悲願が、叶ったと思います。 ただし、現在の停車駅は「木古内駅」と「新函館北斗駅」の2か所で、終点:札幌駅まで全線開通するのは 2030年の予定です。 果たして、実現するのでしょうか? “新型コロナウイルス”の影響で、経済が疲弊しているので心配です! 
札幌駅までのルートは、殆んどがトンネルで モグラ新幹線 と揶揄されています。 車窓から雄大な北海道の景観が見られなければ、旅の楽しみは半減すると思います。 長い“青函トンネル”を通過し、再びトンネルに突入するのは、流石に興ざめします。 北海道新幹線の先行きは、トンネルが多いだけに 暗い と思います。 何故なら、夏場は良くても冬場の気象は、北海道一厳しい地域だからです。 特に、ニセコを有する倶知安町周辺は、豪雪地帯であり雪の量は半端でありません。 新幹線の前に、除雪用新幹線が必要になるかも知れません? 長万部駅~終点・札幌駅のルートは、高速鉄道:北海道新幹線には向かないと思います! 

◎「北海道新幹線」

 

50年前「北海道新幹線着工ルート」は、長万部駅~室蘭駅~苫小牧駅~千歳駅~終点:札幌駅で決定していました。(これは事実です) 当時、室蘭本線沿線の大規模な用地買収があったのです。 しかし、用地買収した不動産会社に問題がありました。 売買契約の段階で、値上がりが確実と札幌市の価値のない土地(市街化調整区域)を強く薦めたのです。 結果的に不動産会社は、原野商法と言う詐欺で莫大な土地を騙し取った事になります。 北海道庁は、新幹線の土地買収で多くの詐欺被害者が出た事を把握しています。 国としては、室蘭本線経由 の新幹線ルートは、道義的に使えないのです。 

安易に 函館本線経由 を利用した北海道新幹線は、将来 良い結果など生まないと思います。 現に JR北海道は、脱線事故や列車火災などトラブル続きで、経営の存続自体が危ういのです。 また 国鉄民営化以降、人員削減が原因で 保線(保守点検)の業務が手薄になっています。 広い大地が、“足枷”かも知れません。 北海道新幹線は、起死回生の“賭け”でしょうか? 激安料金の“航空機”と張り合っても、勝てる筈がありません! 
“新型コロナウイルス”の影響もあります。 日本の景気回復が望めないのは、最大の“ネック”になります。

◎ 黄色が着工区間 赤が未着工区間 


リニア中央新幹線 は、北海道新幹線と同じ様にトンネル区間が多いと聞いています。 2027年の開業を予定していますが、前途多難の様です。 都市周辺の用地買収と、静岡県では大井川の地下を掘削する事から、知事が“待った”を かけています。 静岡県の水源が、危いからです。
北海道新幹線 は、トンネルの掘削で出た“有害残土”の廃棄場所が社会問題になっています。 “リニア新幹線” および “北海道新幹線” の開業は、どちらも大幅に遅れると思います。 無理に開業を急いでも、メリットは ありません!

新幹線は “JR” にとって、“ドル箱” です。 しかし、新たに開業する新幹線に明るい未来はあるのか? 総工費が多額(リニア新幹線は 9兆円以上)になるので、採算が取れるとは到底思えません! “JR" は 民間企業ですから、我々が心配する必要はないのでしょうか?