ちょっといいはなし

「　たまごっちを買ったのよ。　」



バイト休憩中、突然そう言い放ったのは女性の社員さん(推定３３歳)。

彼女には子供がいて、その子供に買ってあげたとの事。
　
たまごっち。

数年前に発売され一大ブームを巻き起こした携帯液晶ペットゲーム。

たまごっちプラス、新種発見たまごっち、帰ってきたたまごっち、

などなど種類も多く、類似品もたくさん出回っている。

何を隠そう天秤丸も、当時どらごっちを購入した事がある。

もちろんまがい物。

店員にだまされたのである。


それはさておき彼女が子供に買い与えたのはこれ↓

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●　商品名　●　たまごっちオスっち・たまごっちメスっち

● メーカー ●　(株)バンダイ


●　価　格　●　１，９８０円


● 商品紹介●

　画面中のたまごっちを成長させて、「オスっち」「メスっち」の２台を接続。

　ブリードすることで、「ベビっち」が生まれる、新たまごっち。


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商品紹介にはブリードと可愛く表記されてはいるが、


交尾であるよね。

セックスマシーンであるよね。


かなしいかな、女性社員(推定３３歳)は

我が子にとんでもなく卑猥な玩具を買い与えた結果となった。


バイトが終わり帰宅した俺は、ふとネットでどらごっちについて調べてみた。

するとこのような情報を得ることができた。

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どらごっち


たまごっちの類似品。

内容は卵からドラゴンを育てて宇宙へ旅立たせてあげるというもの。

操作方法はたまごっちと殆ど同じ。


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…。

最終目標が宇宙だったとは。



当時、俺はドラゴンを一度だけ育てた。

いや育てたとはとても言えない、そんな状況だった。


めんどくさがって。


すぐに飽きて。


散歩もせず。


風呂にもいれず。


飯もやらず。


最後はウンチまみれに、おっと。

ごほん。

【　ＵＤ　】まみれになって死んでいった。


思い返すと心が痛む。

ドラゴンよ、申し訳なかった。

(　もう一度、やり直すことができたなら…　)

そう思い、俺は机の引き出しから、小さな卵型の玩具を取り出した。

どらごっち。

ボタンを押す。

電池はすでに切れていた。

液晶には、何も、うつらなかった………。



ついでに、この話のオチもないのであった。