天然乾燥
天然乾燥は、まず基本となるのが、「桟積み(さんづみ)」で、木材と桟を交互に積み上げます。
桟の種類は木材の大きさによって変えます。
風の通り道を邪魔しないように整然と積み上げていく事が重要です。
この桟積みは人工乾燥でも同様に重要な工程です。
桟の位置がずれると、風が通りにくいだけでなく、荷重により木材が曲ってしまったりします。
桟積みをした状態で、屋外で乾燥をさせていきます。
乾燥場所に向いているのは、風がよく通る場所です。
屋外での乾燥では、風の通りや日当たりが良いのですが、雨に濡れてしまいます。
木材を雨水に濡らす事は乾燥と反対のような気もするのですが、これまでの経験では、適度な湿気を加えながら乾燥させた方がよく乾くように感じます。
また杉の場合は、雨水に濡らした方が、赤味の色合いが綺麗に仕上がるように思います。
雨水には濡らさずに、風通しの良い屋内で乾燥させる方がよい、という考え方もあり、様々な自然乾燥方法があるようです。
天然乾燥は乾燥にかかる時間が長く、平均して半年から一年くらいが目安となります。
断面の大きな材は2年も3年も必要なものもあります。
逆に、木材は自然の素材なので個体差が大きく、1~3ヶ月で水分が抜けてしまうものもあります。