北海道新聞 2020年4月19日付記事
「札沼線の一部廃止日前に運行終了 JRは地域と汗かく姿勢を (滝川支局・坂口光悦)」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/413719?rct=n_jrhokkaido
JR札沼線の北海道医療大学~新十津川間(47・6キロ)が5月7日の当初の廃止日を待たずに、
今月17日で最終運行となった。
政府が4月16日に新型コロナウイルス感染拡大防止を巡り、
緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したことで前倒しされた。
2018年の廃止合意前から空知管内の沿線各町の利用客増に向けた取り組みや、
JR北海道との交渉を取材してきただけに、
残念な最後だった。
道内には存続が危ぶまれている鉄路が少なくない。
JRは「もうからないから廃止」ではなく、地域の声に耳を傾けて一緒に利用者増に知恵を絞り、
魅力ある鉄路を目指してほしい。
終着の新十津川駅がある空知管内新十津川町。
2016年から午前の1日1往復だけになったのを逆手に取り、「日本一早い最終列車が出る駅」としてPRし、
道内外からの鉄道ファンを呼び込んだ。
記念の木製キーホルダーを手作りして乗客に無償で配る住民や、
「駅長犬」として人気の柴犬ララ、
出迎える駅近くの保育所の園児たち―。
列車の発着時間だけ開く特産品販売所「新十津川駅市」は、地元企業がプレハブを無償提供した。
毎日1時間ほどの営業時間にもかかわらず19年度は約730万円と、
町内の別の物産館に匹敵する額を売り上げた。
昨年10月には1931年(昭和6年)に誕生した新十津川駅の開駅88周年を祝うイベントが町などの主催で開かれ、
地元の酒造会社や精肉店が日本酒やジンギスカンを無料提供した。
地域住民参加の「おもてなし」が奏功し、
2016年から役場や駅で配っている到達証明書は今年3月に配布4万枚を達成した。
JRの「待った」で企画が頓挫することもあった。
新十津川駅前の飲食店が、鉄道ファンに人気の硬券入場券を
「ガチャポン」などと呼ばれるカプセル玩具の自動販売機を利用して販売した時のことだ。
ユニークな販売方法が鉄道ファンらの心をつかんだ。
人気が出たのもつかの間、JRの指摘でガチャポン利用は4日で中止に。
硬券入場券販売は対面形式で続いた。
JRは取材に「旅客営業規則に番号順での販売が規定されてある」と理由を説明。
規則に記述はなく、再度の取材に「社内規定による」と答え、規定は非公開だとした。
地域の取り組みに水を差す姿勢に疑問を感じた。
今年2月のイベント「エキアカリ」は、沿線4町にある夜の駅をアイスキャンドルなどで彩った。
JRは新十津川駅に4年ぶりに夜の列車を走らせるなど協力した。
公表は直前で、周知期間を十分に取れなかった。
別の町の自治体幹部は臨機応変さに欠けるJRを「官僚より官僚的」と皮肉る。
取材をしていても、縦割りで四角四面な対応に民間感覚の薄さを感じた。
JRの経営は厳しい。
2018年度のJRの線区別収支は全線区で赤字で、営業損益は合計549億円。
2019、2020年度は国から総額400億円の財政支援を受ける。
その先の見通しは立っていない。
JRが策定した利用促進策「アクションプラン」は、観光列車やスポーツイベントでの参加者の乗車を呼びかける
といったものが多く、
正直、目新しさに欠ける。
2018年12月の札沼線廃止合意の際、新十津川町の熊田義信町長は
「道内の他の路線のために札沼線は少なからず犠牲になった。
犠牲が生かされるよう、JRは自治体と一緒に努力してほしい」とJR幹部に伝え、
地域に目を向け一緒に努力してほしいと訴えた。
JRは今後も道民に必要で、とりわけ地方では高齢者など公共交通に頼る人が少なくない。
地域の足を守るためにも、赤字を減らす取り組みは急務だ。
JRは、新十津川での町民のおもてなしなど、観光客や鉄道ファンに魅力を発信する企画を大切にし、
地域の意見を吸い上げ、ともに知恵を絞って鉄路の利用促進に取り組むべきだ。
それが道民のJRへの愛着を育むのではないだろうか。
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さすがは地域密着型新聞、と言える記事でした。
この文面だけでも、いかにJR北海道の体質が「親方日の丸」型の旧いものであるかが伝わり、
これでは希望を持って入社した新入社員も絶望して退職してしまうかを想像してしまう。
次も、いかに「親方日の丸」体質ではダメなのか、の記事を用意しておきます。
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2020年4月20日付訪問者数:308名様
お付き合いいただき ありがとうございました。
(……この数字、コワイ……自分のブログに似合わない……)
「札沼線の一部廃止日前に運行終了 JRは地域と汗かく姿勢を (滝川支局・坂口光悦)」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/413719?rct=n_jrhokkaido
JR札沼線の北海道医療大学~新十津川間(47・6キロ)が5月7日の当初の廃止日を待たずに、
今月17日で最終運行となった。
政府が4月16日に新型コロナウイルス感染拡大防止を巡り、
緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したことで前倒しされた。
2018年の廃止合意前から空知管内の沿線各町の利用客増に向けた取り組みや、
JR北海道との交渉を取材してきただけに、
残念な最後だった。
道内には存続が危ぶまれている鉄路が少なくない。
JRは「もうからないから廃止」ではなく、地域の声に耳を傾けて一緒に利用者増に知恵を絞り、
魅力ある鉄路を目指してほしい。
終着の新十津川駅がある空知管内新十津川町。
2016年から午前の1日1往復だけになったのを逆手に取り、「日本一早い最終列車が出る駅」としてPRし、
道内外からの鉄道ファンを呼び込んだ。
記念の木製キーホルダーを手作りして乗客に無償で配る住民や、
「駅長犬」として人気の柴犬ララ、
出迎える駅近くの保育所の園児たち―。
列車の発着時間だけ開く特産品販売所「新十津川駅市」は、地元企業がプレハブを無償提供した。
毎日1時間ほどの営業時間にもかかわらず19年度は約730万円と、
町内の別の物産館に匹敵する額を売り上げた。
昨年10月には1931年(昭和6年)に誕生した新十津川駅の開駅88周年を祝うイベントが町などの主催で開かれ、
地元の酒造会社や精肉店が日本酒やジンギスカンを無料提供した。
地域住民参加の「おもてなし」が奏功し、
2016年から役場や駅で配っている到達証明書は今年3月に配布4万枚を達成した。
JRの「待った」で企画が頓挫することもあった。
新十津川駅前の飲食店が、鉄道ファンに人気の硬券入場券を
「ガチャポン」などと呼ばれるカプセル玩具の自動販売機を利用して販売した時のことだ。
ユニークな販売方法が鉄道ファンらの心をつかんだ。
人気が出たのもつかの間、JRの指摘でガチャポン利用は4日で中止に。
硬券入場券販売は対面形式で続いた。
JRは取材に「旅客営業規則に番号順での販売が規定されてある」と理由を説明。
規則に記述はなく、再度の取材に「社内規定による」と答え、規定は非公開だとした。
地域の取り組みに水を差す姿勢に疑問を感じた。
今年2月のイベント「エキアカリ」は、沿線4町にある夜の駅をアイスキャンドルなどで彩った。
JRは新十津川駅に4年ぶりに夜の列車を走らせるなど協力した。
公表は直前で、周知期間を十分に取れなかった。
別の町の自治体幹部は臨機応変さに欠けるJRを「官僚より官僚的」と皮肉る。
取材をしていても、縦割りで四角四面な対応に民間感覚の薄さを感じた。
JRの経営は厳しい。
2018年度のJRの線区別収支は全線区で赤字で、営業損益は合計549億円。
2019、2020年度は国から総額400億円の財政支援を受ける。
その先の見通しは立っていない。
JRが策定した利用促進策「アクションプラン」は、観光列車やスポーツイベントでの参加者の乗車を呼びかける
といったものが多く、
正直、目新しさに欠ける。
2018年12月の札沼線廃止合意の際、新十津川町の熊田義信町長は
「道内の他の路線のために札沼線は少なからず犠牲になった。
犠牲が生かされるよう、JRは自治体と一緒に努力してほしい」とJR幹部に伝え、
地域に目を向け一緒に努力してほしいと訴えた。
JRは今後も道民に必要で、とりわけ地方では高齢者など公共交通に頼る人が少なくない。
地域の足を守るためにも、赤字を減らす取り組みは急務だ。
JRは、新十津川での町民のおもてなしなど、観光客や鉄道ファンに魅力を発信する企画を大切にし、
地域の意見を吸い上げ、ともに知恵を絞って鉄路の利用促進に取り組むべきだ。
それが道民のJRへの愛着を育むのではないだろうか。
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さすがは地域密着型新聞、と言える記事でした。
この文面だけでも、いかにJR北海道の体質が「親方日の丸」型の旧いものであるかが伝わり、
これでは希望を持って入社した新入社員も絶望して退職してしまうかを想像してしまう。
次も、いかに「親方日の丸」体質ではダメなのか、の記事を用意しておきます。
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2020年4月20日付訪問者数:308名様
お付き合いいただき ありがとうございました。
(……この数字、コワイ……自分のブログに似合わない……)