shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

北海道新聞2020年4月18日記事「札沼線・波乱の歴史~廃止区間、地域支えた85年」

2020-04-19 | 旅行
北海道新聞 2020年4月18日付記事
「札沼線・波乱の歴史~戦争で休止/炭鉱消え『秘境駅』に 廃止区間、地域支えた85年」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/413574?rct=n_hokkaido

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月7日の廃止を待たずに、
今月17日で列車運行を終えたJR札沼線の「北海道医療大学~新十津川」間。
47・6キロある区間は昭和初期に開通し、戦時中は休止に追い込まれたが、終戦後に復活した。
農作物や石炭、新聞と多くの物資も運び、人々の暮らしや経済を支えてきた。
廃止区間は札沼線がたどった波乱の歴史を伝えている。

春を迎え、空知管内新十津川町では農作業が始まっていた。
終着駅がある新十津川駅までは田畑に沿うように鉄路が走る。

沿線の水稲農家工藤盛雄さん(66)は17日、農作業の手を止め、
最寄りの南下徳富(みなみしもとっぷ)駅へ最終列車を見送りに行った。
「仕方ないけど寂しいね」。
こみ上げる思いをこぼした。
高校3年間は通学に使い、町内会で列車を貸し切り、留萌管内増毛町まで海水浴に出かけたこともあった。
「思い出がたくさん詰まってる」と目を細めた。

札沼線は1935年(昭和10年)、桑園(札幌)~石狩沼田(空知管内沼田町)を結んで全線開通した。
コメ生産が盛んな空知管内の沿線自治体にとって、物資を大量輸送できる鉄道敷設は悲願だった。
新十津川町の町史は当時の様子を
「交通の利便はもちろん、農作物その他の物資の参集、輸送に果たした役割はまことに大きかった」
と記している。

だが、戦争による資材不足で軍にレールを接収され、
1943年に石狩沼田~石狩当別(石狩管内当別町)が営業休止に。
終戦後の1946年から順次、再開した。

沿線でとりわけ鉄道ファンの人気を集めたのが、空知管内月形町の豊ケ岡駅だ。
木々に挟まれ、車1台通るのがやっとの砂利道の先にある。
小さな待合室とホーム1本のみの景観は「秘境駅」とも呼ばれる。

駅は北西約5キロの山中にある月形炭鉱の発展に伴い、1960年に開業した。
炭鉱は1947年に本格稼働し、1954年にはスキーのリフトのように石炭を運ぶ索道の運転が始まった。
石炭を鉱口から駅周辺の貯炭場まで運び、札沼線の貨車に載せた。

豊ケ岡駅近くに住む上葛(かみくず)国夫さん(94)は
「今だから言えるが、駅ができる前は、石炭を積むため停車する列車に勝手に乗り降りしたもんだ。
停車駅の月形駅までは遠かったから」 と振り返る。
月形炭鉱は炭質の低下や石炭需要の減少などで1963年に閉山。
今では周辺に暮らす人も少なく、駅だけがぽつんと残る。

札沼線はその後、沿線地域の人口減や自動車の普及で利用が減り、
1972年に石狩沼田~新十津川間が廃止。
鉄路が新十津川駅で途切れたため、1976年には約3キロ先にあるJR函館線の滝川駅への延伸などを求める期成会が発足したが、
要望は届かなかった。

一方、札幌から当別までの沿線には大学が複数建ち、札沼線の愛称は1991年、「学園都市線」に。
山々が連なり、水田が広がる空知管内の景色とはイメージが異なり、廃止区間の住民の多くは、この名を使わない。

札沼線が全線開通した2年前に生まれ、空知管内浦臼町で書店を営む岸泰夫さん(86)は
「昔は札沼線が新聞や本などの商品を全て届けてくれた。 駅から町に文化がもたらされた」と懐かしみ、
自らの人生と鉄路の歩みに思いを重ねた。
(文章執筆:坂口光悦、勝間田翔 氏)

-------------------------------------------------------------------------------------------------

北海道からまたひとつ「生活の足」が、採算に合わないことで廃止となった。

確かに新十津川から札幌に出るには特急停車駅の「滝川」のほうが便利で、札沼線を下ってゆく必然性がない。
でも、紛れもなく、空知管内の田園風景にも人の暮らしはあったのだ。
ただ、電化されて残った区間はもはや札沼線ではなく、ただの「学園都市線」でしかない。

それにしても、本州から「お別れ乗車」したかった人も多かったはずだし、
予定通り5月7日まで運行して 「有終の美」を飾れなかったものか?
コロナウィルス対策のためならば、座席指定制&マスク使用を条件にして運行することだって出来たはずだ。

改めて、JR北海道の頭の悪さにはガッカリしている。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

2020年4月19日付訪問者数:276名様
お付き合いいただき ありがとうございました。

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 杏が加川良の『教訓Ⅰ』の弾き... | TOP | 北海道新聞記事「札沼線の一... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 旅行