筒美京平さんの追悼特集、
第2回目は「松本隆作詞&筒美京平作曲」のコンビネーションで人気の高かった
太田裕美さんの歌で構成していきたいと思います。
まずは、太田裕美といったら“これ”でしょう。
遠距離恋愛で二人のこころが離れていって、結果別れてしまう内容の「木綿のハンカチーフ」(1975)です。
当時のテレビ番組での映像からなので、3番が抜けています。
(編曲:筒美京平&萩田光雄)
この楽曲は、完成するまではかなりの紆余曲折があった。
作詞の松本隆は、都会(≒東京)に出た男性と故郷に残された女性との遠距離恋愛を対話形式で歌詞にしたが、
こうした男言葉と女言葉が交互に切り替わるという構成は、当時の歌謡曲ではおよそ前例のない試みであり、
新しい日本語ポップスを創造しようという松本の高い問題意識が現われている。
一方、作曲の筒美は「詞が長過ぎる」と松本に対して更に短くすることを望んだ。
しかし、松本や担当ディレクター兼プロデューサーの白川隆三と連絡が取れず、
仕方なくそのまま歌詞に合わせて曲を作った。
実際に取り掛かるとすんなりと進み、
「いや〜、いい曲が出来たよ」と喜色満面で提出したとのことである。
(ウィキペディア解説より)
太田裕美 木綿のハンカチーフ
歌詞:J-Lyric.net
https://j-lyric.net/artist/a000516/l005d33.html
この歌には色々と賛否両論とかありそうです。
人の心が変わるのは止められないし、
確固たる意志が二人にないと距離や時の流れに負けてしまう、と自分も思います。
だから、遠距離恋愛から結婚に至ったケースは、「スゴイなあ、見事だなあ」と思います。
さて、自分は「木綿のハンカチーフ」よりも太田裕美さんの歌で好きなものが
当然ながらあります。
次は、これ行きましょう。
夏が終わり、人の心が変わる9月。
涙に濡れるひとに叩きつける冷たい雨………
(もっとも、地球温暖化で21世紀に入ってからは、9月も夏同然の暑い日が続いていますが)
太田裕美「九月の雨」 9thシングル 1977年9月
歌詞:J-Lyric.net
https://j-lyric.net/artist/a000516/l001b6d.html
これは筒美京平さん自身がアレンジを担当されていますね。
次はカラッとした歌を。
太田裕美「しあわせ未満」 7thシングル 1977年1月
歌詞:J-Lyric.net
https://j-lyric.net/artist/a000516/l003aac.html
裕美さんの曲はアルバムを含めすべて好きですが、
やはりこの曲は特別な存在です。
貧困ながら愛を育む’70年代の恋愛事情を見事に描いた作品なのです。
(羽山修一 さんのコメント)
松本隆、筒見京平コンビから紡ぎだされる、
繊細でこわれやすい乙女心の淡い風景描写の素晴らしさは言うに及ばず、
萩田光雄氏のアレンジが秀逸ですね。
太田裕美さんの個性を見事に引き出しています。
時代背景の違いはありますが、この作品のように、落ち着いて聴ける歌が少なくなりました。
(princehead princehead さんのコメント)
確かにそうですね。
人気ドラマ「俺たちの旅」「俺たちの朝」に象徴されているように、
この時代は今よりも金がなく、ラフな格好の男子だって山ほどいました。
(しかし、自分が社会に出て、職場で出会った女はものの見事に「棘のある」奴ばかりだったような……)
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で、例えばこの「しあわせ未満」で、こんなコミックを思い出してしまいました。
当時の少女漫画「りぼん」に掲載された佐藤真樹さんの「つくしんぼつくしんぼ」で、
コミックス「3月わかれ雪」に収録されています。
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さて、話し出したら長くなりそうなので、太田裕美さんの歌は
あと一曲だけ紹介します。
1960年代から1970年代までの青春ドラマでは、意外と「病気」が重要なアイテムであり、
「愛と死をみつめて」(1964、吉永小百合主演日活映画)、
「ある愛の詩」(アメリカ映画、1970)、
「ラスト・コンサート」(1976・イタリア&日本合作映画、セリフは英語)
「赤い疑惑」(1975、山口百恵主演TBSドラマ)など、
不治の病に侵されてヒロインが亡くなる悲恋物語が多かったのを憶えています。
そんな世界観の歌で、けっこう泣ける歌でした。
晩秋から冬へと変わる季節とともに消えてゆく少女のいのちの炎。
これは萩田光雄氏のアレンジと、羽田健太郎氏(1949-2007)の演奏と思われるピアノが大貢献してました。
太田裕美「最後の一葉」 6thシングル 1976年9月
歌詞:Uta-Net
https://www.uta-net.com/song/38447/
なんて切ない歌詞なんでしょう。
目を閉じると風景が浮かぶ。
この曲を聴くと、泣けてくる。
(ZUQ043361 さんのコメント)
高校生の頃の曲です。
十代の「子供」には真の意味が分からなかった。
五十代になり久しぶりに真剣に歌詞も聴いて愕然とした。
これほどの「絶望」が舞台であるのを。
目に涙を浮かべながらのリスニングになってしまった。
言葉が無い。
(DOHCSR16VZR さんのコメント)
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以上の4曲は、『GOLDEN☆BEST』(SonyMusic)で聴けます。
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2020年10月23日付訪問者数:253名様
お付き合いいただきありがとうございました。
第2回目は「松本隆作詞&筒美京平作曲」のコンビネーションで人気の高かった
太田裕美さんの歌で構成していきたいと思います。
まずは、太田裕美といったら“これ”でしょう。
遠距離恋愛で二人のこころが離れていって、結果別れてしまう内容の「木綿のハンカチーフ」(1975)です。
当時のテレビ番組での映像からなので、3番が抜けています。
(編曲:筒美京平&萩田光雄)
この楽曲は、完成するまではかなりの紆余曲折があった。
作詞の松本隆は、都会(≒東京)に出た男性と故郷に残された女性との遠距離恋愛を対話形式で歌詞にしたが、
こうした男言葉と女言葉が交互に切り替わるという構成は、当時の歌謡曲ではおよそ前例のない試みであり、
新しい日本語ポップスを創造しようという松本の高い問題意識が現われている。
一方、作曲の筒美は「詞が長過ぎる」と松本に対して更に短くすることを望んだ。
しかし、松本や担当ディレクター兼プロデューサーの白川隆三と連絡が取れず、
仕方なくそのまま歌詞に合わせて曲を作った。
実際に取り掛かるとすんなりと進み、
「いや〜、いい曲が出来たよ」と喜色満面で提出したとのことである。
(ウィキペディア解説より)
太田裕美 木綿のハンカチーフ
歌詞:J-Lyric.net
https://j-lyric.net/artist/a000516/l005d33.html
この歌には色々と賛否両論とかありそうです。
人の心が変わるのは止められないし、
確固たる意志が二人にないと距離や時の流れに負けてしまう、と自分も思います。
だから、遠距離恋愛から結婚に至ったケースは、「スゴイなあ、見事だなあ」と思います。
さて、自分は「木綿のハンカチーフ」よりも太田裕美さんの歌で好きなものが
当然ながらあります。
次は、これ行きましょう。
夏が終わり、人の心が変わる9月。
涙に濡れるひとに叩きつける冷たい雨………
(もっとも、地球温暖化で21世紀に入ってからは、9月も夏同然の暑い日が続いていますが)
太田裕美「九月の雨」 9thシングル 1977年9月
歌詞:J-Lyric.net
https://j-lyric.net/artist/a000516/l001b6d.html
これは筒美京平さん自身がアレンジを担当されていますね。
次はカラッとした歌を。
太田裕美「しあわせ未満」 7thシングル 1977年1月
歌詞:J-Lyric.net
https://j-lyric.net/artist/a000516/l003aac.html
裕美さんの曲はアルバムを含めすべて好きですが、
やはりこの曲は特別な存在です。
貧困ながら愛を育む’70年代の恋愛事情を見事に描いた作品なのです。
(羽山修一 さんのコメント)
松本隆、筒見京平コンビから紡ぎだされる、
繊細でこわれやすい乙女心の淡い風景描写の素晴らしさは言うに及ばず、
萩田光雄氏のアレンジが秀逸ですね。
太田裕美さんの個性を見事に引き出しています。
時代背景の違いはありますが、この作品のように、落ち着いて聴ける歌が少なくなりました。
(princehead princehead さんのコメント)
確かにそうですね。
人気ドラマ「俺たちの旅」「俺たちの朝」に象徴されているように、
この時代は今よりも金がなく、ラフな格好の男子だって山ほどいました。
(しかし、自分が社会に出て、職場で出会った女はものの見事に「棘のある」奴ばかりだったような……)
で、例えばこの「しあわせ未満」で、こんなコミックを思い出してしまいました。
当時の少女漫画「りぼん」に掲載された佐藤真樹さんの「つくしんぼつくしんぼ」で、
コミックス「3月わかれ雪」に収録されています。
さて、話し出したら長くなりそうなので、太田裕美さんの歌は
あと一曲だけ紹介します。
1960年代から1970年代までの青春ドラマでは、意外と「病気」が重要なアイテムであり、
「愛と死をみつめて」(1964、吉永小百合主演日活映画)、
「ある愛の詩」(アメリカ映画、1970)、
「ラスト・コンサート」(1976・イタリア&日本合作映画、セリフは英語)
「赤い疑惑」(1975、山口百恵主演TBSドラマ)など、
不治の病に侵されてヒロインが亡くなる悲恋物語が多かったのを憶えています。
そんな世界観の歌で、けっこう泣ける歌でした。
晩秋から冬へと変わる季節とともに消えてゆく少女のいのちの炎。
これは萩田光雄氏のアレンジと、羽田健太郎氏(1949-2007)の演奏と思われるピアノが大貢献してました。
太田裕美「最後の一葉」 6thシングル 1976年9月
歌詞:Uta-Net
https://www.uta-net.com/song/38447/
なんて切ない歌詞なんでしょう。
目を閉じると風景が浮かぶ。
この曲を聴くと、泣けてくる。
(ZUQ043361 さんのコメント)
高校生の頃の曲です。
十代の「子供」には真の意味が分からなかった。
五十代になり久しぶりに真剣に歌詞も聴いて愕然とした。
これほどの「絶望」が舞台であるのを。
目に涙を浮かべながらのリスニングになってしまった。
言葉が無い。
(DOHCSR16VZR さんのコメント)
以上の4曲は、『GOLDEN☆BEST』(SonyMusic)で聴けます。
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2020年10月23日付訪問者数:253名様
お付き合いいただきありがとうございました。