ほんとうはもっと取り上げたい話題があるのですが、
急を要する話ですので、取り上げさせていただきます。
北海道新聞2020年10月19日付記事
「災害と廃線(卓上四季より)」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/472089?rct=c_season
馬産地日高を舞台にした宮本輝さんの名作「優駿(ゆうしゅん)」には、日高線から望む車窓風景が登場する。
<列車は雪の降る海岸線をゆっくり走った。
青黒い海は、雪が風で吹きあがって、一瞬、そこだけ視界が拡(ひろ)がるたびに群青色に変わった。
「あっ、馬が走ってる」。
澄子は窓ガラスの曇りを手でぬぐい、雪原のあちこちに目をやった>
荒々しい波が打ち寄せる太平洋岸を縫うように走り、躍動する競走馬が間近に見える。
そんな魅力あふれる鉄路の大半が姿を消す。
今週、鵡川~様似間の116キロについて日高管内7町とJR北海道が廃止文書に調印する。
引き金は5年前の厳冬期に起きた高波。
線路脇の土砂が流出し、巨額の工事費が復旧を阻んだ。
赤字路線の将来を危ぶむ声は以前からあったが、
いま一度活用策に知恵を絞る機会も与えられないとは、あまりに寂しい。
全国から乗り納めに訪れる鉄道ファンに見守られて最後の日を迎えることすら、かなわない。
近年、災害による鉄路の寸断が続いている。
道内では根室線の一部が廃止の危機にさらされ、
九州では7月の豪雨によりSLや観光列車が走る2路線などで復旧のめどが立っていない。
ローカル線の脆弱(ぜいじゃく)な経営基盤に、温暖化で加速する自然の猛威が容赦なく襲いかかる。
住民の生活や観光を支えるインフラとして国が守る手だてを真剣に考えないと、
鉄路はますますやせ細ってしまう。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
北海道・九州中心の被災路線の復旧、
日本の物流に不可欠なJR貨物の運行路線の維持強化、
幹線の開かずの踏切解消(=立体化)などは、
電話の「ユニバーサル料金」制度や特定道路財源などのように、
全鉄道利用者の収益から最低でも1%を「課金・基金化」して行かないと
鉄道は新幹線と大都市圏の通勤電車路線しか残らない危険性さえあります。
急を要する話ですので、取り上げさせていただきます。
北海道新聞2020年10月19日付記事
「災害と廃線(卓上四季より)」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/472089?rct=c_season
馬産地日高を舞台にした宮本輝さんの名作「優駿(ゆうしゅん)」には、日高線から望む車窓風景が登場する。
<列車は雪の降る海岸線をゆっくり走った。
青黒い海は、雪が風で吹きあがって、一瞬、そこだけ視界が拡(ひろ)がるたびに群青色に変わった。
「あっ、馬が走ってる」。
澄子は窓ガラスの曇りを手でぬぐい、雪原のあちこちに目をやった>
荒々しい波が打ち寄せる太平洋岸を縫うように走り、躍動する競走馬が間近に見える。
そんな魅力あふれる鉄路の大半が姿を消す。
今週、鵡川~様似間の116キロについて日高管内7町とJR北海道が廃止文書に調印する。
引き金は5年前の厳冬期に起きた高波。
線路脇の土砂が流出し、巨額の工事費が復旧を阻んだ。
赤字路線の将来を危ぶむ声は以前からあったが、
いま一度活用策に知恵を絞る機会も与えられないとは、あまりに寂しい。
全国から乗り納めに訪れる鉄道ファンに見守られて最後の日を迎えることすら、かなわない。
近年、災害による鉄路の寸断が続いている。
道内では根室線の一部が廃止の危機にさらされ、
九州では7月の豪雨によりSLや観光列車が走る2路線などで復旧のめどが立っていない。
ローカル線の脆弱(ぜいじゃく)な経営基盤に、温暖化で加速する自然の猛威が容赦なく襲いかかる。
住民の生活や観光を支えるインフラとして国が守る手だてを真剣に考えないと、
鉄路はますますやせ細ってしまう。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
北海道・九州中心の被災路線の復旧、
日本の物流に不可欠なJR貨物の運行路線の維持強化、
幹線の開かずの踏切解消(=立体化)などは、
電話の「ユニバーサル料金」制度や特定道路財源などのように、
全鉄道利用者の収益から最低でも1%を「課金・基金化」して行かないと
鉄道は新幹線と大都市圏の通勤電車路線しか残らない危険性さえあります。