これこれかくかくしかじかでと、髪の毛を振り乱しながら販売員さんに説明する。
30歳前後の男性は、私のペースに乗せられず、冷静に話を聞いている。パチパチとキーを打ち、「あーこれはパソコンそのものに問題があるようではないですね。でも、原因が分かりませんね。」と言う。
ギクッとした。確か、スマホのメールのパスワードやハンドルネームを変更した直後にトラブルは起きた。スマホとパソコンは連携させているので、そのやり方が間違っていて、パソコンに問題が起こったのかもしれない。
その事を告げると「なるほど」と一言。
私は、再びギクッとする。メールのフリーソフトの扱いの不手際は修理の範疇ではないことに気付いたからだ。
しかし、その販売員さんはその事に一切触れず、アカウントの取り消しを行い、再登録を黙々としてくれた。来店して約一時間で問題を見つけ、解決してくれた。一時間も売上に直結しない客に付き合ってくれて有りがたいやら、申し訳ないやら。
礼をいうと少しはにかんで笑顔を見せてくれた。
何だろう。心がほっこりとする。いいぞ。頼もしいし、優しい。最近の若い者は。
去り行く世代としては、せめて彼らが幸せな時代を歩めるように努めたいし、祈りたい。
しかし、若い世代のためできることって、具体的になんなのだろう。
適当な年齢でこの世とおさらばすることなのかなあという答えがちらつくのである。