こんにちは皆さん。お元気ですか? ほぐしの手の橋本です。私はとても元気です。
さて、皆さん、良く眠れていますか? 今日は、神経科学者ジェフ・イリフ氏がTEDTalksで行った「よく眠ることが大切なもう一つの理由」というスピーチをご紹介します。脳特有の驚きの仕組みを解説しながら、睡眠を怠ることがどれだけ脳に悪影響を与えるかを教えてくれます。
これを知ったら、子どもに、「睡眠時間を削って勉強しなさい」と、平気で言っていられなくなるはずです。
彼のスピーチをまとめると、
1.脳は睡眠時に、浄化作業を行っている。その機能は睡眠時に活発になる。
2.睡眠不足の人は脳に老廃物が貯まっていた。アルツハイマー病患者の脳には老廃物が蓄積されていることから、睡眠不足はさまざまな病気の引き金になる可能性アリ。
3.脳の浄化作業は、脳機能や健康に影響する大切なもの。睡眠を疎かにしてはいけない。
です。詳細は、彼のスピーチを見てください。
https://www.ted.com/talks/jeff_iliff_one_more_reason_to_get_a_good_night_s_sleep?language=ja
お時間のない人の為に内容をかいつまんでおきますと、以下になります。尚、以下の内容の「私」というのはジェフ・イリフ氏のことです。
-----------------------------------------------------------
脳は、体重の約2%ほどの質量しかありませんが、全エネルギーの1/4ほどを消費している重要な器官です。脳の栄養欠如は生死にも関わるほど。
日頃の活動のために必要な栄養や酸素は、脳の中で細かく広がっている脳内血管から得ています。そのあとには、老廃物が産出されます。カラダの場合だと、全身リンパが通っているので、老廃物が排出されるのですが、脳にはリンパ管がありません。
脳だけは、全身とは違う老廃物排除の仕組みを持っていることが、私たちの研究で分かったのです。
脳の中でおこっていることは、脳に広がる無色透明の液体、脳脊髄液(CSF)によって脳内の老廃物を吸収し、血液中に排出していることでした。
その髄液は、組織の奥深くまで張り巡らされている血管の外壁を利用し老廃物を回収します。そうすることで、隙間のない脳全体にも、簡単にアクセスできるわけです。この時に、血管はリンパ管のような働きをしています。
この画期的な仕組みは、全身のどの器官にも見られない脳特有のものなのです。さらに驚くべきことに、この髄液は生物が眠っているときにだけ働くことが分かりました。
つまり、私たちの脳は活発に動いているときには、老廃物の処理は後回しにし、睡眠に入るときに浄化モードに切り替わり、その日に蓄積された老廃物を排除しているのです。
次はどのような老廃物を排除しているかをお話しますと、この瞬間も私たちの脳では、アミロイドベーターというタンパク質の一種が生み出されています。これは老廃物として排除すべきもの。アルツハイマー病患者の脳には、アミロイドベーターが蓄積されてしまっています。
最近行われた臨床試験によると、睡眠時間の減少や睡眠の質の劣化は、アミロイドベーターの蓄積量に影響することが分かりました。
これが直接アルツハイマー病の要因だとは検証されていませんが、睡眠を疎かにすると老廃物が溜まり、しいてはアルツハイマー病といったさまざまな症状を引き起こしてしまうかもしれません。
睡眠をしないことはゴミを1ヶ月間放置するのと一緒
家の台所を1か月間片付けなかったら、ひどい状態になりますよね。ゴミや汚れが溜まり、機能しなくなります。もし同じように脳内の清掃を怠り続けたら、取り返しがつきません。
脳の浄化作業は、脳の機能や体の健康を大きく左右するものです。これから先、脳疾患を予防していくためには、この脳の役割を知り、睡眠を疎かにしないことが重要だと思います。