緑内障で殆ど見えないおとうさんが施設に入って1年あまり
おかあさんと私は隔週で面会に行き、「食事が不味い」「話し相手がなく喋る機会が少ないのでうまく話せなくなった」「食べたくないから殆ど残す」「差し入れの飴で生きている」「自分の家がいい」エトセトラ~を毎回聞かされ続けた
2階の家族、その妹、育てた家族、等々他の家族も勿論、時には訪問していたから「食事が不味い」以下同文をその都度聞かされていた
ある時おかあさんが高齢者施設を比較紹介してくれるところを見つけてきて
「美味しい食事」をキーワードに試食予約をして
私は運転手兼付添人
それはもう短期決戦という勢いで
ここならおとうさんも満足するだろうと契約をし
お金を持っているのも動かすのもおかあさんなのに
新しい施設のスタッフは書類を私に渡そうとしていた
ふつうこういう高額契約は
高齢女性がおこなうことではないのだろう
でもうちの場合、お金を持ってるのはおかあさんで、おかあさんを連れていく車を運転するのは私だけれどもその車を動かすガソリン代はおかあさんが出してくれている
それはさておき
おかあさんも私も
「美味しい食事でおとうさんは今よりきっと元気になる」と信じて疑わなかった
転居直後、おとうさんは手放しで「美味しい」とは言わないものの
「昨日の朝御飯はびっくりするほど美味しかった」という発言もあり
美味しさに関しては一件落着を期待できそうに思えた
しかし、転居後1週間
前のところに今すぐ戻りたい
大手運営のわりと大きい施設のため、何かにつけて大雑把らしい
目が見えれば、コーヒーラウンジに行って新聞を読むとか頻繁に開催されるアクティビティに参加するとか、楽しみを見つけられるのだろうけれど
転居後1週間にして
おとうさんの訴えにより、おかあさんは前の施設にすぐ連絡をした
前の施設の社長さん、転居話を伝えた瞬間は相当気を悪くしていたが、転居当日に「食事については我々の失敗」「施設を変わってもうまくいかないことが多い」「いつ帰ってきてもいいですよ」と送り出してくれていたので
快く「出戻り」をOKしてくれたそうだ
これが転居して僅か1週間で起きた出来事
私が仕事の休憩中にLINE見たら、この思わぬ展開が綴られていた📲
前の施設はすぐに満室になってしまったとのことだけれど、入院する人がいるんだかなんだか、「なんとかするので少し待って欲しい」と言われたそうだ
おかあさんは今、一日千秋の思いで電話待ち
2階の家族にはまだ知らせていない
激怒するに違いない
2階の家族の妹は面会に行き
「おとうさんは今すぐ戻りたがっている」と言ってきた
(彼女の聞き取りによれば、食事は7~8割方食べているらしい)
育てた家族からは、そんなの想定内だ環境変わるストレスを考慮したほうが良いと自分は言ったはずだ、と冷たく言われた
でも😠
1年間、2週毎に面会して食事が不味いと言われ続けたのはおかあさんと私だ
おかあさんと私は最前線に立たされていたのだ
私達は「美味しい食事」のことしか考えられなくなっていた
しかも、新しい施設は近くて
2階の家族でも行けるし
(変な踏切と細道路のせいで前の施設へ彼は車で行こうとしなかった)
面会自由だし
おとうさん自身も思い知っちゃったのだと思う
週明けに朗報は来るだろうか
こうして待っている間にも
おとうさんは「比較的不味くはない食事」付きの「大雑把な介護」に耐えている
嫁が行っても慰めにはならないけど、明日は私ひとりで訪ねてこようと思っている
備忘録、まだまだ続きます