天空海闊

みすヾ


庭の金木犀が今年は少し遅くなって咲いている。


 もくせい 

もくせいのにおいが
庭いっぱい。

表の風が、
御門のとこで、
はいろか、やめよか、
相談してた。





日ごとに秋も深まり







 れんげ

ひィらいた
つゥぼんだ、
お寺の池で
れんげの花が。

ひィらいた
つゥぼんだ、
お寺の庭で
手つないだ子ども。

ひィらいた
つゥぼんだ、
お寺のそとで
お家が、町が。




桜が散ると畑一面のれんげ。
最近失われつつある風景である。

ここでも、みすヾの詩は実写的ではない。
家や町さえ開いたり閉じたりすると感じている。

美しい自然に囲まれながらも、
みすヾの心眼は何を捉えていたのだろう?

自分にとって明るく開かれたり、
あるいは暗く閉じたりする世界(人間社会)

私たちの刻々変化する心象風景を、
さらりとだが見事に描き出している。








コメント一覧

又三郎
私の解釈は妄想入ってます。
でも、ここまで飛躍した方が面白いかなと・・(笑

それにしても最近のれんげ畑の寂しいこと。
オリーブ
私のように詩心のない者は、又三郎さんの解説により
なるほど…と感動します。(・・・・)この間は気にしないでね(笑)
いい詩ですね~
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