一陣の風が庭の木の葉と戯れている。その舞い遊ぶようすを窓から眺めていると、子供たちの幼いころをふと思い出した。その小さな存在はどれほど力を与えてくれたことだろう。生き抜くために過度の緊張を強いられたとき、その柔らかい存在はどれほど慰めとなったことだろう。その無邪気な目はどれほど救いとなったことだろう。そして覚えていて欲しい。これからどんなに冷たく激しい風が吹こうとも、愛することが救いとなることを。