低く 高く ゆるやかに 海の音が聞こえてくる。 長らく心に閉ざされていた ひとつの声の言霊のようだ。 かっては・・・ あの声を持っていたお前は、 私のそばにいたのだ。 S・クワジーモド(イタリアの詩人) 時が止まったような、 愛する瞬間がある。 それでも時は待つことを知らない。 やがて、 人は面影を追い求める。 汽笛や雑踏の中に。 轟く波音に。 例え虚構であろうと・・ かけがえのなさに、 胸が張り裂ける。