今年はどうだろう、 私は少し不安になった。 みどりの山々が折り重なったわき道でも、 まだその色を思い出せなかった。 それから、すぐに会えたのだが、 野生は容易に妥協しない。 「わたしをほんとうに見ていない」と、 糾弾する。 ー思考を止め、ことばを忘れよ!ー ーその邪魔なものを打ち捨てよ!ー ーそうすれば、ほんとうに見えるー いつものように・・・ その薄紫の花は わたしをはねつけ、 やがてそっと、受け入れた。