天空海闊

みつばツツジ

今年はどうだろう、

私は少し不安になった。

みどりの山々が折り重なったわき道でも、

まだその色を思い出せなかった。

それから、すぐに会えたのだが、

野生は容易に妥協しない。

「わたしをほんとうに見ていない」と、

糾弾する。

ー思考を止め、ことばを忘れよ!ー

ーその邪魔なものを打ち捨てよ!ー

ーそうすれば、ほんとうに見えるー

いつものように・・・

その薄紫の花は わたしをはねつけ、

やがてそっと、受け入れた。
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