とある宇宙の果てにおいて
創造を旨とする神々の一群が
集まっておりました
その場の司会担当神が呼びかけました
「次に発表するのはだれですか?」
今日は各自が創造した星で
どのように其々の個性を発揮できたかを
互いに発表し合う日なのです
そこで ひとつの神
「私は知恵」という者が出て参りました
「私の知恵が如何に恒久的安定をもたらすか観てください」
その星は非常に多様な生き物たちが
多彩な色彩と共に美しい世界を見せています
一方でその世界の継続をもたらすために
食物連鎖 弱肉強食などのシステムが導入され
一つの種が増えすぎないようにしてありました
「どうですこの知恵の発揮・・ 見事なものでしょう」
他の一同は無言でその星をながめておりましたが
ひとつの神が唐突に言いました
「今日からあなたの名前を
私の知恵は残酷
にしてはどうでしょう?」
それに対しそれを創造した神は激しく反論します
「結果的にこの星が恒久安定していることを軽視するのですか?
それにそれら下等動物には悲しみといった感情さえ与えていない
のに残酷などとは笑止千万」
その反論に対し また別の神が言いました
「あなたの自己評価はどうであれ
結果ではなく その手段のうちに
多くの略奪や互いを害する様子を見て
つまりあなた自身の発想から
あなたを評価する自由が私たちに無いのだろうか」
こうして
「私は知恵」と言う神は無言で退席し
次なる神の報告の番となりました