「お母さんから嫌われたら、死んでしまう」
これが、産まれた時から本能的に感じる得体の知れない恐怖感の正体であり、生きる為の闘い、あの泣き声の意味である。
「愛されなければ死も同然」
この恐怖感はその後の親子関係、社会的環境や教育、他の人間関係の推移により増減されるが、生涯に渡る呪縛になり得る。
ある象徴的な場面がある。
ジョン•レノンとオノ•ヨーコは2人とも社会的成功や不自由の無い生活を得ていたが...
このyes 、肯定を探す旅において、やがてジョンとヨーコはアーサー・ヤノフ博士による「原初療法」という精神治療に会う。原初療法(Primal Therapy)とは、人間心理の奥深くに潜む苦痛を呼び覚まし、幼少期の記憶にまで遡って、すべてを吐き出すという治療法である。その後、改良が加えらているが、当時これを体験したジョンは、学生の頃に母を失った記憶などが蘇り、大声を上げて泣き出したという。
この療法が、その後のレノンの楽曲、マザーやゴッド、イマジンなどに、また2人のパフォーマンスにも影響を与えた、と言われている。
「マザー」
Mother, you had me
母さん 俺はあんたをいつだって待ってた
But I never had you
でも あんたが俺を待つ事なんて無かったよな
I wanted you
母さん 俺にはあんたが必要だった
But you didn't want me
でも あんたは俺を必要とはしなかった
So
でもさ
I got to tell you
あんたには伝えたい言葉があった
Goodbye
さようなら
Goodbye
さようなら 母さん
何が得たくてこれほど苦闘しているのか?
既に満たされた人間にとって、
自分や他者を高める必要はなく、
低める必要もない。