山の方へ向かって走った。
霧雨が横殴りに吹きつけ、雲は重いものに
おさえつけられたように、低いところを
おびえたように走りすぎて行った。
・・・そのとき、空を横ぎって、ふんわりした
黄色い雲が一つ流れてきた。
それが灰色の雲の壁にせきとめられると、
ほんの何秒かのうちに、風がその黄色と
青から一つの形をつくりだした。
一羽の巨大な鳥の形であった。
鳥は青い乱雲から身をもぎはなすと、
大きく羽ばたきながら、
空のなかへ消えていった。
それから嵐の音が聞こえはじめ・・
・・・数時間後、びしょぬれになり、
風に吹きさらされてもどってみると、
デーミアンが自分でドアをあけてくれた。
*雲は芸術品で嵐の時でさえ独特の
美を見せてくれる。
反して、人がもたらす風雲の
醜いこと。
新たな誕生と飛翔を
『平穏』は既に迎えようとしている。
大嵐の準備を・・・
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辻風
今回も匿名で・・
辻風
goya
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