無意識的なものから意識的なものへ、
そこからもどって、多くの小道を通り、
私たちが無意識的に知っていたものへ、
そこから無慈悲に突き放されて、
疑いへ、哲学へと促され、
私たちは到達する、
皮肉の第一段階へ。
それから熱心な観察によって、
多様な鋭い鏡によって、
世界軽蔑の冷たい深淵が
凍える精神錯乱の
むごい鉄の暴力の中に抱き取る。
しかしそれは賢明に私たちを連れもどす、
認識の狭いすきまを通って
自己軽蔑の
甘にがい老年の幸福へ。
ヘッセ n>
ヘッセは休むことのない求道者で有り、その思索は
東洋思想の源流にまで及ぶ。
その鋭い嗅覚は全体主義の危険を早期に察知、
人間の英知と万象との調和を模索し続けた。
しかしその観察力が自らに及んだ時、この詩の様な
独特の境地に至る。
それでも彼の言葉には青春の残光が消えることが無い。
私がヘッセが好きな理由の一つである。
最新の画像もっと見る
最近の「詩・散文」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2019年
2016年
人気記事