天空海闊

砂上の城

人は心の中に曼荼羅(潜在意識の宇宙)が
あると云われている。

それは立体的な塔のようでもあり、
家族との関係、過去の忘れたい記憶、
森羅万象や神仏さえ包含し、それを中心
とした清々しいものが構築可能である。

そうした構築にネットを活用することが増えてきた。
ネットの中では、すべての者が、
有能な学者、宗教家、裕福で美形を有する者、
あるいは獣以下の者、時には友情さえ装い
どのような存在にも変容できる。

また、己の義や感情を押し付け、

人の痛みに気づけないことになり得る。


それがどれほど魅力的に見えても、
人間の感覚の一面だけを活用した、
“砂上の城”である。

金銀で装飾されたその祭壇に、
君の理性や自尊心を捧げてはならない。

それは脆いものであり、

意識の片隅のあるべき場所に、鎖を付けて
おく場合にのみ、真の曼荼羅への有効な手段と成る。


      (ネットデビューした君へ)

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