かたばみ かけてあがった お寺の石だん。 おまいりすませて おりかけて、 なぜだか、ふっと、 おもい出す。 石のすきまの かたばみの 赤いちいさい 葉のことを。 ──とおい昔に みたように。 ふと思い出す 小さな存在。 それはないのも 同じような存在。 あなたしか気づいていない とても小さな命。 それが醸し出す 固有の風情。 でもそれこそ・・ 生の貴さや 本当の意味を示している のかもしれない。