天空海闊

金子みすヾ

かたばみ

かけてあがった
お寺の石だん。
おまいりすませて
おりかけて、
なぜだか、ふっと、
おもい出す。

石のすきまの
かたばみの
赤いちいさい
葉のことを。
──とおい昔に
  みたように。




ふと思い出す
小さな存在。

それはないのも
同じような存在。

あなたしか気づいていない
とても小さな命。

それが醸し出す
固有の風情。

でもそれこそ・・

生の貴さや
本当の意味を示している
のかもしれない。

コメント一覧

又じい
みすずの詩は読む年齢ごとに
印象が異なっていくような気が
します。
はな
かたばみという古風な響きが何となく好きです。
私も最近みすずの詩集を引っ張り出して読んでいます。
又じい
こちらの地方は梅雨入りのようです。

オリーブ
この詩は、ピンと来るというか、なんか好きです、
ホッとします。また楽しみにしています。
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