ぐいと 月を押すように 手をかざすが 光はなく 豪華な指輪も 色褪せ 小鳥を呼んでも とまらず 少し触れただけで 男(ひと)を惑わした魔法も すでに滅んだ だが嘆くことなかれ 嘆くことなかれ 命を抱き 育み どんな荒波でも それを手放すことはなかった 今では青筋立った 木の根のようだが どんなに若々しく 磨き飾った手よりも 威厳があり 多くの秘された 宝石がある 蒼いノクターン