公明党支援にまつわる、学会の“公式”と“現場”のホンネ・建て前
公明党と創価学会(後編)
正木 伸城プロフィール
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公明党の支持母体である創価学会。選挙に際し、実際のところ、学会員はどのような活動を行っているのでしょうか。創価学会元理事長を父に持つ宗教三世のライター・正木伸城さんが、自らの経験をもとに、その実態を描いた後編です。
前編:創価学会員は選挙についてどう捉え、どんな活動をしているのか?
「池田先生」のために公明党を応援するという発想
前編の記事で、ぼくが創価学会の選挙活動にハマっていった経緯を述べた。また、その後、2003年に話題になった「自衛隊のイラク派遣」に関する公明党の振る舞いに納得がいかなくなり、先輩たちと政策論争を展開したことにも触れた。ただし、議論をしても厚みのある返答をくれる先輩はいなかった。そこでぼくは、学会のとある副会長に相談をした。
「政策に納得ができない時、それでも公明党を支援すべきなのでしょうか」
ぼくがそう問うと、副会長は「納得が行かない点は、どこ?」と聞いてくれた。そこから、またもや政策論争が発生するのだが、やはり納得のいく話は出てこない。そのうち、副会長の顔が曇っていった。そして彼はこう言うに至った。
「公明党は池田先生がつくられた政党だ。弟子として応援しないのはあり得ない」
それを聞いたぼくは、即座に、「確かに、宗教的にはそれも大事な視点ですが、純粋に政策で選ぶならまだしも、『池田先生のため』『同志である学会員が候補者だから』という理由で公明候補者を選ぶという政治的な決定の仕方を取るのは、どうなのでしょうか?」と質問した。
しかし、この言葉を言い終わり、さらに発言を続けようとするぼくの声をさえぎった副会長は、「お前は二乗根性にやられている!」と言ってきた。
池田大作氏の思想と公明党の振る舞いが不一致に見えることに悩む
「二乗」というのは説明が難しい言葉なのだけれど、ここでは「頭でっかちな人」「考えてばかりで信仰実践がおろそかになる人」くらいの意味で捉えてほしい。
こう言われたぼくは、ひどく落ち込んだ。
なぜ、この時ぼくは公明党に疑問を抱き始めたのか。それは、創価学会のカリスマリーダー・池田大作氏の文献を相当に読み込んだことに起因する。その思想についてかなり理解を深めた時、公明党の振る舞いや判断が池田氏の考えと「必ずしも一致するとは言えない」ということを知ったのだ。
この一連の流れのなかで不完全燃焼感をぬぐえなかったぼくは、学会幹部の父にも相談した。だが、理解の懸け橋はやはりかからなかった。売り言葉に買い言葉みたいな言い合いになり、父からは「そんなに不満なら、お前が公明党の政策を考えろ!」と言われてしまった。
この“イラク派兵”については、当時ぼくが通っていた創価大学でも、また所属していた東京・八王子市の組織でも、また他の各地でも論争が起こった。派兵反対の学会員に、ぼくに向けられた言葉と似たセリフが投げかけられたことも多く見聞きした。
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