雄一郎の半生
興信所に入り、様々な調査を
していたが、先輩の調査員から
以前の事故に協力した話を聴いた。
ある雨の降った翌朝の寒さが
一段と厳しい日に起きたらしい。
前日の雨で路面が凍っていて
事故が多い朝だったと言うが、
自損事故があり、運転手の姿が
見当たらず警察と付近の人たち
が探していたという。先輩も
これに協力して探したが、
全く見つからない。
車は、凍った路面を滑って電柱に
激突し、運転者はフロントガラスを
破って飛び出したのではないか?
と、そこはではどこにでもある様な
話だが、その運転手がいないのだ
という。
周りの何処にもいない。ひょっとして
警察と消防は側溝に落ちたのでは。
と、側溝のコンクリート板を剥がした。
しかし、3メートルも剥がしても
見つからない。側溝内の水は
凍っていたというが、ここにもし
落ちてもそうは進まないだろう。
と、しかし、10メートルほど剥が
してみたら、運転手が血まみれで
居たという。しかも、もう少し発見が
遅れたら、側溝の水で溺死して
いたという、お話だった。
そんなことが実際あるんだなぁと
当時は、思っていた。
何せ、調査の待機の時間は
半端なく長いので、いろんな
調査話を聴くこともある。
おかしな話は尽きないが、
次回から少し紹介する。
次回につづく