ハードボイルドな一日のはじまり たっかい街 たっかいビル
東京地下鉄 レール軋ませ 下町ぬけだし ど真ん中
銀座の恋の物語 聴こえてきたら到着の合図
“ 東京で一つ 銀座で一つ 日比谷にむかって映画を二つ ”
ゴジラが見下ろす シャンテ日比谷 睨みつけ
まずは 日がな一日 ダンボール 被ってのぞく
世界をみつめて 都市をさまよう “ どっ変態 ”
セレブな香り 鼻につく 日比谷シャンテ
11:00 ~ 13:10 Screen1
【箱男 The Box Man】
2024年製作/120分/PG12/日本
監督 石井岳龍
それは人間が望む最終形態。 ヒーローか、アンチヒーローか 。
完全な孤立、完全な孤独を得て、社会の螺旋から外れた「本物」の存在。
ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、一方的に世界を覗き見る『箱男』。
カメラマンである “わたし” は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、
遂に箱男としての一歩を踏み出すことに。
しかし、本物の『箱男』になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。
存在を乗っ取ろうとするニセ箱男、完全犯罪に利用しようと企む軍医、 “わたし” を誘惑する謎の女・葉子。
果たして “わたし” は本物の『箱男』になれるのか。
そして、犯罪を目論むニセモノたちとの戦いの行方は!?
小さな箱の中で王国を作り、守られた状態で世界を一方的に覗く姿は、不確実性の中で揺らぎながら、
小さな端末を手に持ち、匿名の存在としてSNSで一方的に他者を眼差し、
時に攻撃さえもする現代の私たちと「無関係」と言えるだろうか。
そして最も驚くのは、著書が発表された50年前に安部公房はすでに現代社会を予見していたということだ。
安部公房 「著者のことば」
これは箱男についての記録である。
ぼくは今、この記録を箱のなかで書きはじめている。
頭からかぶると、すっぽり、ちょうど腰の辺まで届くダンボールの箱の中だ。
つまり、今のところ、箱男はこのぼく自身だということでもある。
箱男が、箱の中で、箱男の記録をつけているというわけだ。
都市には異端の臭いがたちこめている。
人は自由な参加の機会を求め、永遠の不在証明を夢みるのだ。
そこで、ダンボールの箱にもぐり込む者が現われたりする。
かぶったとたんに、誰でもなくなってしまえるのだ。
だが、誰でもないということは、同時に誰でもありうることだろう。
不在証明は手に入れても、かわりに存在証明を手離してしまったことになるわけだ。
匿名の夢である。
そんな夢に、はたして人はどこまで耐えうるものだろうか。
“えっ? マジで? オレも? 箱男なの?”
階段駆け下り 地上に這でて 見上げるでっかい 東京ミッドタウン日比谷
華やいだ街の浮かれた人々 縫うように避けながら 速足むかうエスカレーター
残された時間 十数分・・・ のんびりしている余裕は無し
おっと カップル 立ち止まる フットワークっで 交わして進む
エントランス アトリウム飛びこんで レクサスカフェ横目に 2階に向かう
ぐるり まわって 昇りエスカレーター 3階へ
ゆっくりしてたら はじまっちまう 発券しなきゃ 間に合わねぇ
やっと4階 TOHOシネマズ 日比谷 まずはトイレ
きれいなトイレ 高い地価 呼吸整え 便座に腰掛け マーキング
ふだん使わぬ ウォシュレット 使ってみたり 洗ってみたり
あぁ~いっあい あぁ~いっあい おさるさん なのぉ?
あぁ~いっあい あぁ~いっあい おさるさん かなぁ?
あいあぁ~っい あいあぁ~っい あいあぁ~っい お猿さんだねぇ
よしっ おつぎの映画 箱男のつぎは “ 猿男 ”
高い地価 仰け反る高層ビル TOHOシネマズ日比谷
13:30 ~ 15:45 Screen8
【モンキーマン MONKEY MAN】
2024年製作/121分/R15+/アメリカ・カナダ・シンガポール・インド合作
監督 デブ・パテル
神がやらねば!!! おれが殺る
復讐の化身 どん底から這いあがり!!! 復讐 はたせ
幼い頃に故郷の村を焼かれ、母も殺されて孤児となったキッド。
どん底の人生を歩んできた彼は、現在は闇のファイトクラブで猿のマスクを被って
「モンキーマン」と名乗り、殴られ屋として生計を立てていた。
そんなある日、キッドはかつて自分から全てを奪った者たちのアジトに潜入する方法を見つける。
長年にわたって押し殺してきた怒りをついに爆発させた彼は、
復讐の化身「モンキーマン」となって壮絶な戦いに身を投じていく。
よし!!!
男シリーズ 無事 終焉
雨が降り出す その前に下町向かって走り出す