魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

聖徳太子の十七条憲法を英訳しました 10

2017年10月06日 | 聖徳太子の十七条憲法を英訳
聖徳太子の十七条憲法を英訳してみました。
訳に間違いが有りましたら御教示下さい。


第十条
原文

十曰、絶忿棄瞋、不怒人違。人皆有心。々各有執。彼是則我非。我是則彼非。我必非聖。彼必非愚。共是凡夫耳。是非之理、詎能可定。相共賢愚、如鐶无端。是以、彼人雖瞋、還恐我失。我獨雖得、從衆同擧。

書き下し文

十に曰く、忿(こころのいかり)を絶(た)ち、瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、人の違(たが)うことを怒らざれ。人みな心有り。心に各(おのおの)執(と)るところ有り。彼是(ぜ)とすれば則(すなわ)ち我非とす。我是とすれば則ち彼非とす。我必ずしも聖に非(あら)ず。彼必ずしも愚に非ず。共にこれ凡夫(ぼんぷ)のみ。是非(ぜひ)の理(ことわり)、詎(なん)ぞ能(よ)く定むべけんや。相共(あいとも)に賢愚(けんぐ)なること、鐶(みみがね)の端(はし)なきが如(ごと)し。ここを以(も)って、彼の人は瞋(いか)ると雖(いえど)も、還(かえっ)て我が失(あやまち)を恐れよ。我独り得たりと雖も、衆に従いて同じく挙(おこな)え。

現代語訳
心の中の怒りを無くして顔の表情に出さないようにし、他人の意見が自分と違っても怒らないようにしなさい。人にはそれぞれの心があり、それぞれの考え方というものがあるのだ。相手が良いという事でも自分にとっては悪いという事もあり、自分が良いという事でも相手にとっては悪いという事もある。自分は決して間違いを犯さぬ聖人ではないし、相手が間違いだらけの愚者というわけでもない。お互いが平凡なただの人間なのだ。そもそも良いとか悪いとか判断する道理を、ただの人間の身でどうやって決めるというのか。お互いに賢くもあり、愚かであるという事は、耳輪に端がないようなものだ。それだから、相手が自分に対して怒っている時には、自分に過ちがなかったかどうかよく考えなさい。自分の意見に自信がある時でも、人々の意見に耳を傾けて受け入れなさい。

英訳文
Keep your mind without wrath, and don't show anger at your face. Do not get anger even if others differ from you. Everyone has his heart and opinion. His right may be your wrong, your right may be his wrong. You are not necessarily a sage. He is not necessarily a fool. All of us are mediocre people. Who can distinguish right from wrong without fail? All of us are wise and fool, like a ring has no end. Therefore if others get anger, think about your error. Even if you have a firm opinion, listen to others opinion carefully.

聖徳太子の十七条憲法を英訳しました 11 へ続く。




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