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合言葉はヒュッゲ

映画「そして僕は途方に暮れる」

まず、タイトルに惹かれた。これは大沢誉志幸のあのヒット曲関連映画?と調べてみたらやはりそう。舞台にもなっていたとは驚きました。

主演はキスマイの藤ケ谷太輔。ちょいワルな感じのどこにもいそうな30半ばの青年裕一役がよく似合う。

裕一はフリーターで彼女里美と同棲中。二人の仲は長くちょっと倦怠気味。いくら夜
のバイトだからって、日中ダラダラ寝て過ごし、会社勤めの里美の作ってくれた朝ご飯を残したまま下げもしない男。まず、そこにイラッとしましたが、里美は諦めているのか怒りもしない。

でもある時、裕一が浮気をしている事を突き止め、ヒステリックに怒りをぶつける。そんな里美に謝るどころか、恐れを成してとっとと逃げてしまう。呆れたクズだがこれを皮切りに逃げて逃げて逃げまくる。

幼なじみの部屋に入り浸り、洗濯までさせ布団まで敷かせ、自分が使ったゴミも捨てない無神経な態度についに親友もキレてしまう。そしてまたもや弁明もできず逃げ去る。そのままバイト先の先輩のアパートに転がり込み、縦の関係のため裕一なりに気を遣っていたが、からかわれた事でカッとなり突き飛ばしてしまう。ゴミ屋敷のような部屋の棚から落ちてきたエロビデオの雪崩に見舞われた先輩に慌てふためきまた逃げ去る。

次は姉の家、北海道から互いに上京していたけど、それほど関わりもなく過ぎていた。姉はキャリアウーマン。お金の無心かと説教を喰らい思わず言い返してまたそこを飛び出す。

行き着く先は実家のみ。リウマチの母が一人で暮らす家。母の不自由な身体を目の当たりにして、家に戻ると宣言。喜び勇んで入信中の宗教へ誘う母の変貌ぶりにドン引きしまた逃げる。

もうどこにも行く宛ないと諦めた裕一の前に生き別れの父が現れ家へと招かれる。
しばらく父と暮らすうちに父は反面教師として裕一に人生を教える。浮気をして家庭を捨てパチンコ三昧でその日暮らしの父。
裕一の根無草のような生き方は父から学んだものと気づく。

そして、行方をくらませた自分を彼女も親友も心配し気遣ってくれていた事を知る。
号泣しながら「なんかゴメン」と繰り返し謝る裕一。だらしなくてほんとにクズなんだけど、なんか憎めない。なんだろ、この感動は。
大晦日に実家で久々父を交えた家族が年越しそばをすするシーンが素敵だった。

最後には大どんでん返しで、ええ!?とうろたえてしまうこの作品。テーマは平凡だけど、でもなんか素晴らしい。なんかやるせなくて、なんかたまらなく愛おしくなる映画でした。

キャストは皆良かったけど、特に彼女役の前田敦子、父役の豊川悦司の演技が光ってたなあ。
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