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合言葉はヒュッゲ

家族の多様性




今月図書館で借りてきた小説三本。どれも作家の力量と感受性で一気に読ませる力があり、長編ながら時間がかからず読み終えた。







有川浩氏の「キャロリング」




石井光太氏の「死刑囚メグミ」




小川糸氏「にじいろガーデン」

それぞれ主人公の特徴やストーリーは異なるものの、共通するのは家族の多様性。

「キャロリング」の意味は、クリスマスに教会からの有志が各家庭を訪れ讃美歌を歌い幸せを祈る催し。クリスマスに倒産を迎えた子供服メーカーの会社社員が同僚女性である元カノと生意気な小学生の男の子の願いを叶えるため、その子の両親の離婚を阻止しようと作戦を立てる。結果的に夫婦は別れる事になったけど、子への想いと互いを尊重する生き方への選択を伝える。

主人公と恋人も互いの愛をまた再認識するというハートフルな物語。有川さんの物語はテンポよくて爽やか、そして温かい。

「死刑囚メグミ」何という大胆なタイトル。それもそのはず、作者の石井さんは貧困や差別、障害、虐待の問題に真摯に向き合ってきたノンフィクション作家。この話の主人公メグミにモデルがいて、覚醒剤の運び屋を異国マレーシアで手伝ってしまった事で逮捕され、死刑を宣告されるという強烈な内容。メグミは自分を陥れた友人の息子を我が子のように慈しみ、その子を救うための金策として覚醒剤密輸に関わった。

そして「にじいろガーデン」ゆるいタイトルだけど、まさに結婚の多様性、血縁以外の家族の在り方をストレートに描いている。レズビアンの二人の主人公は中年ひとり親女性泉と現役高校生千代子とが恋仲となり、タカシマという姓を選び家を借りて事実婚。高校生千代子が元彼の子を宿していたことが発覚、その子を産んで四人の家族となる。数年後には千代子は癌で死に、泉の息子もバイク事故死。なんの血縁もない泉と残された娘が残るのだけど、なんで?二人死なす理由わかんねえって印象。
正直、「にじいろガーデン」にはあまり共感できませんでした。でも今月なんとなーく共通したテーマの3冊を読破できたことはなかなかの収穫でしたね。

まさに読書の秋です。次も石井光太さんの作品をまた借りて来よう。

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