三部作の 「Rail ways 愛を伝えられない大人達」
これは三浦友和と余貴美子が熟年夫婦役で、すれ違いながら互いの気持ちに気づく物語。
テーマは良いけど、ぱっとしなかった。
何がダメかと言うと、二人が主役だったと言う事が一番かな。脇役なら輝いていただろうに。
定年間近私鉄運転士の男は、定年後を妻とゆっくり過ごしたいと願い、逆に妻は自立を目指し夫から離れたいと願う。
よくある夫婦のパターンで、少しありきたりすぎるし、ヤマがない。
小池栄子が嫁に出た娘で、臨月という設定もピンと来なくて。
退屈で途中から消してしまった。
そして、「起終点駅 ターミナル」
不倫の末、愛人を自死させてしまうという過去から懺悔の気持ちで家族と別れ、裁判官から国選弁護士へ転身し、最果ての町で細々暮らす男の役を佐藤浩市が地味に熱く演じていた。
違法薬物所持で逮捕された若い娘役を本田翼が演じる。自分の弁護人となった男に覚醒剤依存症の元恋人を探してほしいと依頼する。
断り続けながら、次第に二人は心を通わす。親子ほど離れた歳の差だが、淡い恋心をスクリーンは映し出す。
やもめ男が孤独からのリハビリとしてこつこつ作る家庭料理を、薄幸な生い立ちの娘はむさぼるように食べる。
その無邪気さに男も癒されてゆくのだけど、やりとりがなんとも心温まる。本田翼、かわいい。
男は封印していた過去を整理し、娘は薬中の恋人と決別する。
釧路の駅まで送って行き、車を降りる前に娘は男に抱きつき「先生、また会いに来ていいですか?」と聞く。
「絶対だめだ」内心の動揺を隠すように強く。しかし優しく突き放す佐藤浩市のかっこよさ、うっすら浮かべた涙にグッときました。
この作品、レビューは低めですが、私的にはなかなかハマった作品かな。