この映画、ほんとおいしくて完食してしまいます。
市原隼人がまさかこんな3枚目おたくキャラを生き生き演じてくれるなんて。
小柄だけど、スポーツマン間違えない筋肉質の身体、キレっキレの動作。
たかが給食を軸に、たかが地方公立中学の日常を描いただけなのに、なんと胸を揺さぶられるのか。
原作は漫画。BSで30分枠の連続ドラマが
放送され、そのマイノリティでシュールな世界観に圧倒された。
見事人気を博し、映画化に。
甘利田という給食オタクの教師は、給食好きが高じて小、中学教員の道を選ぶ。
強面で頑固、だらけた生徒に喝を入れながら、頭の中では今日の給食献立を思い浮かべている。
呆れる奴だが、彼の給食愛は、あまりに無垢であまりに尊い。母親が料理音痴で、まずい食事をまずいと言えなかった家庭環境で育ち、給食によって、食の美味しさとありがたみを知る。
給食をずっと食べたいという動機で甘利田は教員となる。
以来12年、給食オタク教師にとって、至福の時間を生かすため、食事前に校歌を歌わせ、踊りまくる。そして、いただきますも同時に、一品一品に心の食レポを実施しつつ、愛をこめて食す。これだけ観てるとただの変態だが、人前ではそんな本音を隠し、クールに振る舞う姿とのギャップが何とも可笑しい。
そんな甘利田は、教育委員会教育長の圧力を受け左遷されたり、給食廃止、給食の質を下げられたりと数々の嫌がらせを受ける。しかし、まるで正義のヒーローみたく、権力に屈しない。そこが魅力。
甘利田みたいな教師を目指す教え子の神野君とは、給食の食べ方、工夫法でバトり、いつも甘利田は完敗していた。
学年主任の宗方先生も次第に甘利田に惹かれ、今回の映画の中では、転勤により別れることになるが、二人の淡い恋のスタートを感じる。
ともかく、単なるオタク映画と侮れない人生のエッセンスに満ちた作品でした。
ごちそうさま❤️
※写真は、6年前、児童デイサービスに勤めていた頃作った給食です。