LEON BIKE Associates 南フランス便り
フランスのプロデザイナーたちと日本スタッフが、ライフスタイルの共有からスタートして始まった、クロモリのNEWブランド
 



VTT Magazine 2008年4月号 より
( 翻訳 by Norie Matsumoto )


MTBを進化させる:彼らの視点
SOUTH SHORE BICYCLE


とりわけ環境に多大な関心を持ち、「エコ・レスポンシビリティ(環境に対して責任を負うこと)」を理念とするMTB製品に全てを捧げる会社の創設を最初に決断したのは、Cogolinの男達である。彼らと共に、この大きな挑戦の現状を明らかにした。




VTTマガジン: 
なぜ、そしてまた、どんな風にSouth Shore Bicycleをつくったのですか?

Fred Glo: 
我々は11年間ディストリビューターとしてやってきて、自分達のブランドが付加価値をもたらすような、もっと独自のプロジェクトを始めたくなったんだ。我々はパッケージ屋じゃないんだ。動機となったのは、我々の知識や、独自製品のノウハウであったり、エコ・レスポンシビリティな地球に優しい開発を目指す、今の社会に合った、ビジネスに取り組む様々な方法だ。安い製品をすぐに買い、消費する時代は、もはや過去のことだ。最小限の消費は仕方ないとしても、環境に考慮した消費を我々は提案する。我々の基盤と信条は、最近スポットがあたりつつある消費改善と、自転車の性能とが合わさっている。それが完全に両立し得ることを証明したいし、それが我々のライトモチーフなんだ。

VTTマガジン:South Shore Bicycleとは誰のことですか?

SSB、それはFabien Barel、Laurent Cornec、Fred Glo、それと新たに加わったChristoph Galloだよ。

VTTマガジン:それでは、誰が何を?

実際には、チームはもっと大きいんだ。伝説的なZoobabとPhilがUrgeブランドのデザインを手がけている。
Francois Bernyは国際的な取引の責任者。Fabien Barelは製品の開発、実際の地面で有効かどうかの検証、そして表彰台の上で製品を見せること。Laurent Cornecはいつも通りバラックを担当。Chris「ひな鶏」Galloは、押しが強いから取引分野を監督する、猟犬の群れのリーダーだ。競争相手は簡単に我々を成功させてはくれないからね。私は、枠組み、ビジョン、ポジション決め、エスプリ、仕様書にモラルを書き込んでる、いわばSSBの魂だ。

VTTマガジン:あなた方はどのように再結集されたのですか?

フィーリング、能力が合わさること、我々のパワーはそこから生じているし、さらにパワーアップしていくだろう。それぞれの分野でベストになる強烈なパーソナリティ。様々なノウハウが合わさり、うまく作用するに違いない。出会いは、人生の偶然だよ・・・女性と同じさ・・・。我々は、一緒に時を過ごすのが好きだから、その結果、プロジェクトを共有したくなるんだ。お互いに近くにいて、思い描いたり、作り上げたり、確かめたり、分かち合ったり・・・。それは、我々にとって、成功して金儲けをするという仮の目的より、ずっと大切なことなんだ。プロジェクトと挑戦は、我々を強く結びつけてくれるし、恐れずに高いレベルを目指すよ。だって、我々が望んでいるのは、いいもので、他と違っていて、美しいもの・・・。アイデンティティーは、我々そのもの、それ以外ない。銀行の口座なんかじゃなく、我々自身と我々がもたらす結果を誇りにしたいんだ。

VTTマガジン:あなた方はどのように再結集されたのですか?

目的は、もう一度繰り返すが、それは世界が幸運にも変わり始めた今、我が社SSBはこの新しい価値感の上に立つことなんだ。自転車は、それ自身すでにクリーンとも言える。そこで、その製造においてもビジネスの取り組み方においても、さらにもっとクリーンでありたいと努めている。我々は楽天家なんだ。この先、我々とエコ・レスポンシビリティの地球なら存在できるだろう、そうでなければ存在しえないだろう。我々の信念がやっと社会全体に共有できたような時に、このプロジェクトを開始するのは、本当に素晴らしいことだよ。ハッピーだね。御都合主義者の中には全く無いよ。我々は、社会と同じ目線、理屈だけで言えば、その点までは進化したんだ。

VTTマガジン:あなた方がディストリビュートしたいブランドとは?

Brake Authority は、フランスのディストリビューターであるTribe Sport Group経由で、ニッケルを用いない、つまり「クリーン且つリサイクル可能」なブレーキプラケットのシリーズを既に市場に出したんだ。消費者は、我々が思っていた以上に、新製品を受け入れてくれた。信じられないよ。そのことは、我々にこの理念を保持し続けていくよう、かなり勇気付けてくれた。輸出面でもたくさんのディストリビューターが列をなしているし、そこでも大きく期待されているようだ。秋にはこのブランドが世界を席巻するだろう。まもなくオファーを受けた、ブレーキのローター付きプラケットを完成させ、Fabienが調整を終えて、全て順調にいけば、春にはお届けできるだろう。さらに、我々はそこで立ち止まることなく、他のブレーキ製品を企画しており、それに平行してプラケットの開発も継続している。我々は、更にもっともっと改良したいんだ。たとえ、Fabienやエンジニアとの協力でTTT(Test Tribe Troop)によってなされた仕事が評価され、汚染物質のニッケルを使わない現在のベストシリーズを世に出したとしても。
Urgeについては、ヘルメットのシリーズが秋の展示会の時にプレゼンテーションされるだろう。だが、Fabienとそのチームは、このシーズン中は、そのプロトとプレシリーズでずっと走るだろう。クリスマスにはフランスのショップにお届けしなければね。シリーズの面では、enduro、DHに続いてdirt製品が姿を現すので、お楽しみに。

VTTマガジン:SSBの将来は?

大まかな計画だが、例えばBrake Authority(ブレーキ)とUrge(ヘルメット)という明確な2つの路線だけでも大きな展望を与えてくれる。我々の信念と共に全てを良い方向へ導いてくれるアンビシャスだ。控え目じゃないといけないけど、我々に不可能はない!




インタビュー ZOOBABの言葉

MTBの世界を象徴する人物、Sunnで何年もデザイナーをしたことは、忘れられない。Zoobabは常に環境と特別な関係にあった。永遠のサーファー、彼がSouth Shore Bicycleの仲間に加わったのは、当然の成り行きである。彼の思いをここに打ち明ける。

VTTマガジン:Urge Bikeヘルメットは、今日作られているものより、もっとエコ・レスポンシビリティですか?

Zoobab:
イエス・・・だとあなたに信じさせることができるさ。例えば、原子力は超エコだとか、温暖化はオナラし過ぎる牛のせいだとか、プロパガンダでオレ達を納得させようとするみたいにね!
エコ・レスポンシビリティの第一のミッションは、儲け主義の理屈でもって、人にウソをつかないことだ。他のプロパガンダと同様、オレ達のヘルメットを信じさせるのは、すごく美しいウソだ。工場でプラスチック素材から作られて、頭の上におさまるまでに何千キロもかかり、きれいな空気やわき水から作られたヘルメットなんだ・・・。
オレ達が確かな答えを見つけられないなら、Urge Bikeヘルメットはエコ・レスポンシビリティだと言ったりしないだろう。逆に、最も「エコロジー」な車や最先端の飛行機より100倍エコ・レスポンシビリティな、自転車の有害なマテリアルを忘れちゃいけない・・・。人類の将来は今日から開かれている:それは、自転車・・・。


インタビュー Fabien Barel

稀代のカリスマ的レーサー、Fabien BarelはSouth Shore Bicycleにより、サポートされている。エコ・レスポンシビリティにおいての彼のアクションを語ってもらおう。

VTTマガジン:国際的なレーサーが、どのようにエコ・レスポンシビリティに至ったのでしょうか?

Fabien Barel:
競技場の地形は、僕達のインスピレーションだ。僕達MTBライダーは広大な空間にパッションを感じるし、それらを保護し、また維持していきたいと願ってるんだ。今日、環境というテーマはグローバルに様々な形で述べられているけど、その本質は一人一人の責任によるところであり、隣人に対しての公共道徳の問題だ・・・。国際的レーサー、MTBライダー、ビジネスマン、特に世界市民!

VTTマガジン:Subaruがスポンサーになっていることは問題になりませんか?

Subaruは、最近GPLで、このテーマに対する具体的アクションを実現しているし、特に来月にはディーゼルができる。彼らの新しいテクノロジーを通して、ブランドの中にあって、その方向性で実際に具体的アクションを起こし、そうすることで、パートナーシップを更に強固なものにして、望ましい相乗作用を生み出したい。

VTTマガジン:SSBの中でのあなたのアクションとは?

僕のアクションはブランドを代表すること。そして、特に製品のクオリティーや性能を検証することにある。この判断基準は、会社の哲学、つまり環境に考慮した開発の中で、的確になされなければいけない。

VTTマガジン:エコ・レスポンシビリティというテーマで、MTBの将来をどのようにお考えですか?

僕のイメージは、汚染されていないチェーンオイル、サスペンションオイル、有害廃物が無いブレーキプラケット、それからオーガニックベースのタイヤも・・・。それと、僕達が使っている道路の維持やダメージを受けた森林の回復にもエコ・レスポンシビリティが必要だと思うよ。そのために、僕達MTBライダーに求められるのは、環境に目覚めることだ。僕達はかけがえのない自然へと至り、森や自然のフィールド維持の大切さを願い、伝えるチャンスがあるんだ。
話しはやめて、行動しよう!


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