江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

2024孫たちの夏休み(4) ー2年ぶりに来日したフランスギャル②ー

2024-09-03 | 随想
フランスを発つ際に彼女から頼まれたことがあった。
「私、クルマに乗ると気持ち悪くなるから梅干し持って来て。梅干し食べてるとクルマに酔わないから。」
そうそう、私が成田空港までクルマで迎えに行くと言っていたからである。

毎年、自宅で作る梅干しは家族の誰一人として関心がなく話題にもしないが、唯一彼女だけが「じいちゃんの作った梅干しが大好き」と言ってくれている。
2年前に来日した際も、1年前に私たちがフランスへ持参した際も、梅干しを美味しいと食べていたほどだ。

日本から持って行った梅干しのストックが少なくなると、(娘が)頻繁には食べさせてくれないようで、そのかわりにオリーブの塩漬けを食べているようだった。


そんな彼女の来日によって、私たちは毎日のように振り回されるのあった。
細かなことを上げたらキリがないので、ここでは幾つかだけ紹介する。

まず、今までの来日時と大きく変わったのは「食」に対する好みだ。
2年位前までは私たちと同様な食事もほぼ食べていたが、今回は違っていた。
和食は決して嫌いではないが、今まで食べていた豆腐や胡瓜は、「私、これは好きでないの!」と言って絶対食べない。
何とか理由をつけて食べさせようものなら、「イジワル! 私は食べないって言ったでしょう!」てな感じである。

その代わり、しょっちゅう食べたがるのはピザとパスタである。
パスタにはパルメザンチーズをたっぷりかけるので「もう、それで十分でしょ!」なんて言うと、「ウルサイワネ、私の自由でしょう!」と言い返される。

ピザにはタバスコをしっかりかけて食べるので、一緒に食事している男の孫はビックリ!という顔をする。
彼は辛い物が大の苦手なのだ。

娘(彼女の母親)に言わせると、「ピザは時々作るけど、Y(孫娘)と一緒に作ってるから、飽きていてもいいはずなのに、何で日本に来てまで食べたいのかね?」って感じだ。
「それに、こんな薄っぺらな具の少ないピザのどこが美味しいんだろ?」と続ける。

どうやら、食べなれた味、チーズを使った食品が好きでならないようだ。
「食」の好みは変化するものの、やはり「食」は一番保守的な部類なのかもしれない。

私が、「Yは、和食はあまり好きでなくなってしまったね。残念だなぁ」と言うと、「私、和食大好きだよ!知らないの?」とすぐさま言い返す。
私は、ピン!ときた。
あれに違いない・・・。

「私、お寿司が一番好きなの! だから、今日はお寿司にして!」
(やっぱりな・・・)

焼き魚は骨があるから嫌だと言って容易に食べないが、骨のないお刺身は大好きなのだ。
海苔が好きなので巻物も好きでよく食べるが、かっぱ巻きは絶対食べないのである。

娘によると、「ちびまる子ちゃん」がおじいちゃんと寿司屋に行った話があるそうだが、そんな場面を体験してしまった私である。





ある日、彼女とちょっと遠い公園へクルマで行った帰り、「お昼は何?」と聞くので、「何が食べたい?何でもいいよ」って言ってしまったが最後、クルマは吸い込まれるように「銚子丸」へ・・・。

「自分で好きなものを探して!」と注文用タブレットを渡したら、「私が一番好きなのはこれなの!」と迷うことなくイクラを注文。
「何でも好きなものを食べな!」とまでは言わなかったものの、次々に値の張りそうなものばかり注文するので、「もう、ダメ!これを全部食べてから!」と段々ケチになる私であった。

食べ終わった彼女の満足げな顔は言うまでもない。

帰宅後に娘に話すと、「もう、Yだけそんな美味しいお寿司食べてズルいよ!」と不機嫌顔であった。
(話は飛ぶが、日本を飛び立つ前日には妻と4人で送別お寿司会をした。)


(つづく)


<すばる>



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