「村松虚空蔵尊の霊験木」古天気年代測定法を試み検証
データ
(1)年月日 元禄二年八月を西暦に換算
八月朔日から二十九日 → 1689年9月14日~10月12日
(吉村名誉教授・歴史天候データベース(HWDB)が西暦のため)
(2)場所
村松虚空蔵尊 → 茨城県那珂郡東海村村松の沖
(3)天気の種類
嵐 → 大雨・大風・大波・暴風雨
吉村名誉教授・歴史天候データベース(HWDB)と古天気学データベース(KTDB)で検証
吉村名誉教授・歴史天候データベース(HWDB)西暦1689年9月14日~10月12日
わるい方の天気から
9月 14日15日16日17日18日19日20日21日
青森県弘前 小雨 雨 雨 晴 小雨 曇 晴 小雨
青森県八戸 晴 雨 雨 晴 晴 晴 晴 雨
岩手県盛岡 晴 雨 雨 晴 雨 曇 晴 雨
栃木県日光 雨 晴 晴 雨 驟雨 雨 雨 晴
三重県伊勢 雨 晴 ー ー 雨 雨 - -
長崎県厳原 曇 晴 雨 晴 雨 雨 晴 晴
9月 22日23日24日25日26日27日28日29日30日
青森県弘前 晴 小雨 晴 小雨 晴 晴 小雨 小雨 晴
青森県八戸 晴 小雨 晴 晴 晴 晴 晴 曇 晴
岩手県盛岡 晴 雨 晴 晴 晴 晴 晴 晴 晴
栃木県日光 曇 晴 小雨 曇 雨 晴 曇 雨 雨
三重県伊勢 晴 晴 晴 - 雨 晴 - 雨 雨
長崎県厳原 晴 晴 晴 雨 晴 晴 雨 晴 晴
10月 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日
青森県弘前 - - - - - - - -
青森県八戸 雨 晴 晴 - 雨 晴 晴 雨
岩手県盛岡 雨 晴 晴 晴 雨 晴 曇 雨
栃木県日光 雨 雨 晴 晴 雨 晴 晴 曇
三重県伊勢 雨 晴 - 晴 大雨 晴 晴 晴
長崎県厳原 曇 晴 曇 雨 晴 晴 晴 晴
10月 9日 10日11日12日
青森県弘前 - - - -
青森県八戸 晴 晴 晴 晴
岩手県盛岡 晴 晴 晴 晴
栃木県日光 晴 晴 晴 晴
三重県伊勢 雨 - 晴 -
長崎県厳原 曇 晴 晴 曇
古天気学データベース(KTDB)
西暦1689年9月14日~10月12日 元禄二年八月、京都・近畿、暴風雨洪水。尾張藩領十二万余石水損。
「常憲院実紀」
西暦1689年9月18日 元禄二年八月五日 名古屋 尾張藩領内洪水。12万石余損亡
「曽良随行日記」
西暦1689年
9月14日 石川・加賀市山中温泉 朔日 快晴。
15日 石川・加賀市山中温泉 二日 快晴。
16日 石川・加賀市山中温泉 三日 雨折々降。 及暮、晴。 山中故、月不得見。夜中、降ル。
17日 石川・加賀市山中温泉 四日 朝、雨止。 巳ノ刻、又降テ止。 夜ニ入、降ル。
18日 石川・加賀市全昌寺 五日 朝曇。・・・ 夜中、雨降ル。
19日 石川・加賀市全昌寺 六日 雨降。・・・未ノ刻、止。
20日 福井・森岡 七日 快晴。
21日 福井・今庄 八日 快晴・・・未ノ上刻、小雨ス。 艮、止。
22日 福井・本隆寺 九日 快晴。
23日 福井・敦賀 十日 快晴。・・・夕方ヨリ小雨ス。 頓テ止。
24日 滋賀・木ノ本 十一日 快晴。・・・午ノ刻ヨリ曇、涼シ。
25日 滋賀・鳥本 十二日 少曇。・・・夜ニ入、雨降。
26日 岐阜・不破郡関ケ原町 十三日 雨降ル。夕方、 雨止。
27日 岐阜・大垣市 十四日 快晴。・・・夜ニ入、月見シテアリク。・・・清明。
28日 三重・桑名市 十五日 曇。・・・未ノ尅、雨降出ス。
29日 三重・桑名市 十六日 快晴。
30日 三重・桑名市 十七日 快晴。
10月 1日 三重・桑名市 十八日 雨降。
2日 三重・桑名市 十九日 天気吉。
3日 三重・桑名市 廿日 同(天気吉)。
4日 三重・桑名市 廿一日 同(天気吉)。
5日 三重・桑名市 廿二日 快晴。
6日 三重・桑名市 廿三日 快晴。
7日 三重・桑名市 廿四日 晴。
8日 三重・桑名市 廿五日 巳ノ下刻ヨリ降ル。
9日 三重・桑名市 廿六日 晴。
10日 三重・桑名市 廿七 晴。
11日 三重・桑名市 廿八 晴。
12日 三重・桑名市 廿九 晴。
「検証結果」
データ(1)八月朔日から二十九日 → 1689年9月14日~10月12日の天気記録有
データ(2)場所 茨城県那珂郡東海村村松の沖 → 茨城県の天気記録なし
データ(3)天気の種類 大雨・大風・大波・暴風雨 → 茨城県の天気記録なし
「検証結果推理」
(1)古天気学データベース(KTDB)より、西暦1689年9月14日~10月12日 元禄二年八月、京都・近畿、暴風雨洪水。尾張藩領十二万余石水損。とあり暴風雨があったことがわかる。
(2)「常憲院実紀」 西暦1689年9月18日 元禄二年八月五日 名古屋 尾張藩領内水。12万石余損亡。 名古屋での月日が特定された。← 大変重要
データ整理
9月 17日18日19日20日21日
青森県弘前 晴 小雨 曇 晴 小雨
青森県八戸 晴 晴 晴 晴 雨
岩手県盛岡 晴 雨 曇 晴 雨
栃木県日光 雨 驟雨 雨 雨 晴
愛知県名古屋 ー 大雨 ー - -
三重県伊勢 ー 雨 雨 - -
石川県加賀市 雨 曇 雨 ー ー
福井県森岡 ー ー ー 快晴 ー
福井県今庄 ー ー ー ー 小雨
長崎県厳原 晴 雨 雨 晴 晴
上記図より 東海地方が9月18日・19日 関東地方が19日・20日 東北地方が21日と雨(台風)が移動していることが分かる。
「検証結論」
物語の背景
江戸時代東北地方の産物は東廻り廻船と呼ばれ、船で江戸に運ばれていました。当時の船の航海は、海岸線近くを通り、遠く海岸線に見える目印を頼りに、航海を続けたのです。虚空蔵堂はそんな目印の一つとして船頭仲間にはよく知られていました。この霊験木には、後で光圀によって表面には奉納者名と年号、裏面には、「船主陸奥国南部小左井村人伊勢屋與兵衛船頭伊勢国黒邊村人太郎兵衛其餘十七人諸州水手不詳其名云」と刻印され、実際の出来事であった事実を示しています。
更に、茨城県那珂郡東海村村松の沖で嵐に遭った年月日
西暦1689年9月20日
和暦 元禄二年八月七日
と特定した。
説明不足が多くあると思いますが、また、元禄二年の各地の天気データが多く集まればもっと正確な古天気年代測定法ができると思います。
元禄二年の「奥の細道」松尾芭蕉で同行した曽良「曽良随行日記」がここで使うとは思ってもいませんでした。曽良様に感謝の気持ちでいっぱいです、大変役に立ちました。又、天下の副将軍 水戸光圀がここで参加していることも、また、驚きです。
次回は、茨城県水戸市 正徳四年の暴風雨について、古天気年代測定法を試み検証したいと思います。
データ
(1)年月日 元禄二年八月を西暦に換算
八月朔日から二十九日 → 1689年9月14日~10月12日
(吉村名誉教授・歴史天候データベース(HWDB)が西暦のため)
(2)場所
村松虚空蔵尊 → 茨城県那珂郡東海村村松の沖
(3)天気の種類
嵐 → 大雨・大風・大波・暴風雨
吉村名誉教授・歴史天候データベース(HWDB)と古天気学データベース(KTDB)で検証
吉村名誉教授・歴史天候データベース(HWDB)西暦1689年9月14日~10月12日
わるい方の天気から
9月 14日15日16日17日18日19日20日21日
青森県弘前 小雨 雨 雨 晴 小雨 曇 晴 小雨
青森県八戸 晴 雨 雨 晴 晴 晴 晴 雨
岩手県盛岡 晴 雨 雨 晴 雨 曇 晴 雨
栃木県日光 雨 晴 晴 雨 驟雨 雨 雨 晴
三重県伊勢 雨 晴 ー ー 雨 雨 - -
長崎県厳原 曇 晴 雨 晴 雨 雨 晴 晴
9月 22日23日24日25日26日27日28日29日30日
青森県弘前 晴 小雨 晴 小雨 晴 晴 小雨 小雨 晴
青森県八戸 晴 小雨 晴 晴 晴 晴 晴 曇 晴
岩手県盛岡 晴 雨 晴 晴 晴 晴 晴 晴 晴
栃木県日光 曇 晴 小雨 曇 雨 晴 曇 雨 雨
三重県伊勢 晴 晴 晴 - 雨 晴 - 雨 雨
長崎県厳原 晴 晴 晴 雨 晴 晴 雨 晴 晴
10月 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日
青森県弘前 - - - - - - - -
青森県八戸 雨 晴 晴 - 雨 晴 晴 雨
岩手県盛岡 雨 晴 晴 晴 雨 晴 曇 雨
栃木県日光 雨 雨 晴 晴 雨 晴 晴 曇
三重県伊勢 雨 晴 - 晴 大雨 晴 晴 晴
長崎県厳原 曇 晴 曇 雨 晴 晴 晴 晴
10月 9日 10日11日12日
青森県弘前 - - - -
青森県八戸 晴 晴 晴 晴
岩手県盛岡 晴 晴 晴 晴
栃木県日光 晴 晴 晴 晴
三重県伊勢 雨 - 晴 -
長崎県厳原 曇 晴 晴 曇
古天気学データベース(KTDB)
西暦1689年9月14日~10月12日 元禄二年八月、京都・近畿、暴風雨洪水。尾張藩領十二万余石水損。
「常憲院実紀」
西暦1689年9月18日 元禄二年八月五日 名古屋 尾張藩領内洪水。12万石余損亡
「曽良随行日記」
西暦1689年
9月14日 石川・加賀市山中温泉 朔日 快晴。
15日 石川・加賀市山中温泉 二日 快晴。
16日 石川・加賀市山中温泉 三日 雨折々降。 及暮、晴。 山中故、月不得見。夜中、降ル。
17日 石川・加賀市山中温泉 四日 朝、雨止。 巳ノ刻、又降テ止。 夜ニ入、降ル。
18日 石川・加賀市全昌寺 五日 朝曇。・・・ 夜中、雨降ル。
19日 石川・加賀市全昌寺 六日 雨降。・・・未ノ刻、止。
20日 福井・森岡 七日 快晴。
21日 福井・今庄 八日 快晴・・・未ノ上刻、小雨ス。 艮、止。
22日 福井・本隆寺 九日 快晴。
23日 福井・敦賀 十日 快晴。・・・夕方ヨリ小雨ス。 頓テ止。
24日 滋賀・木ノ本 十一日 快晴。・・・午ノ刻ヨリ曇、涼シ。
25日 滋賀・鳥本 十二日 少曇。・・・夜ニ入、雨降。
26日 岐阜・不破郡関ケ原町 十三日 雨降ル。夕方、 雨止。
27日 岐阜・大垣市 十四日 快晴。・・・夜ニ入、月見シテアリク。・・・清明。
28日 三重・桑名市 十五日 曇。・・・未ノ尅、雨降出ス。
29日 三重・桑名市 十六日 快晴。
30日 三重・桑名市 十七日 快晴。
10月 1日 三重・桑名市 十八日 雨降。
2日 三重・桑名市 十九日 天気吉。
3日 三重・桑名市 廿日 同(天気吉)。
4日 三重・桑名市 廿一日 同(天気吉)。
5日 三重・桑名市 廿二日 快晴。
6日 三重・桑名市 廿三日 快晴。
7日 三重・桑名市 廿四日 晴。
8日 三重・桑名市 廿五日 巳ノ下刻ヨリ降ル。
9日 三重・桑名市 廿六日 晴。
10日 三重・桑名市 廿七 晴。
11日 三重・桑名市 廿八 晴。
12日 三重・桑名市 廿九 晴。
「検証結果」
データ(1)八月朔日から二十九日 → 1689年9月14日~10月12日の天気記録有
データ(2)場所 茨城県那珂郡東海村村松の沖 → 茨城県の天気記録なし
データ(3)天気の種類 大雨・大風・大波・暴風雨 → 茨城県の天気記録なし
「検証結果推理」
(1)古天気学データベース(KTDB)より、西暦1689年9月14日~10月12日 元禄二年八月、京都・近畿、暴風雨洪水。尾張藩領十二万余石水損。とあり暴風雨があったことがわかる。
(2)「常憲院実紀」 西暦1689年9月18日 元禄二年八月五日 名古屋 尾張藩領内水。12万石余損亡。 名古屋での月日が特定された。← 大変重要
データ整理
9月 17日18日19日20日21日
青森県弘前 晴 小雨 曇 晴 小雨
青森県八戸 晴 晴 晴 晴 雨
岩手県盛岡 晴 雨 曇 晴 雨
栃木県日光 雨 驟雨 雨 雨 晴
愛知県名古屋 ー 大雨 ー - -
三重県伊勢 ー 雨 雨 - -
石川県加賀市 雨 曇 雨 ー ー
福井県森岡 ー ー ー 快晴 ー
福井県今庄 ー ー ー ー 小雨
長崎県厳原 晴 雨 雨 晴 晴
上記図より 東海地方が9月18日・19日 関東地方が19日・20日 東北地方が21日と雨(台風)が移動していることが分かる。
「検証結論」
物語の背景
江戸時代東北地方の産物は東廻り廻船と呼ばれ、船で江戸に運ばれていました。当時の船の航海は、海岸線近くを通り、遠く海岸線に見える目印を頼りに、航海を続けたのです。虚空蔵堂はそんな目印の一つとして船頭仲間にはよく知られていました。この霊験木には、後で光圀によって表面には奉納者名と年号、裏面には、「船主陸奥国南部小左井村人伊勢屋與兵衛船頭伊勢国黒邊村人太郎兵衛其餘十七人諸州水手不詳其名云」と刻印され、実際の出来事であった事実を示しています。
更に、茨城県那珂郡東海村村松の沖で嵐に遭った年月日
西暦1689年9月20日
和暦 元禄二年八月七日
と特定した。
説明不足が多くあると思いますが、また、元禄二年の各地の天気データが多く集まればもっと正確な古天気年代測定法ができると思います。
元禄二年の「奥の細道」松尾芭蕉で同行した曽良「曽良随行日記」がここで使うとは思ってもいませんでした。曽良様に感謝の気持ちでいっぱいです、大変役に立ちました。又、天下の副将軍 水戸光圀がここで参加していることも、また、驚きです。
次回は、茨城県水戸市 正徳四年の暴風雨について、古天気年代測定法を試み検証したいと思います。
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