① 中国における鑑真(688~763)『唐大和上東征伝』より*
*<この書物は井上靖の「天平の甍」のモデルになったもの>
諱(いみな)は鑑真、揚州出身、父親の勧めで寺に入り修行を重ね た。
得度(出家せずにもらえる戎)その後に受戒(正式な僧になれる)
中国各地を巡遊し、三蔵<経・論・律>を修めたが特に律に優れていた。
② 戒師招請の事情と遣唐使
日本では仏教制度が確立しておらず、特に三師七証による受戒僧制度が必要となり
その教育のため戎師要請された。
日本からは遣唐使を派遣していたが派遣間隔が長く、なかなか渡来できなかった。
③ 渡航要請と失敗
鑑真は自らの意思で渡航を望み度重なる試みをしたが5回は失敗に終わった。
1回目 出航前に失敗
2回目 遭難
3回目 出航せず
4回目 出航せず
5回目 遭難、海南島に漂着、失明
6回目 遣唐使の船に便乗し来日できた
④ 来日後の活動と唐招提寺
1)天平勝宝6年(754)聖武天皇・光明皇后・皇太子(のちの孝謙天皇)授戒
のちに戒壇院を造成
2)唐招提寺の創立
3)唐招提寺の伽藍は金堂(本尊を納める堂)は延暦年間、講堂(修行の場)は
天平宝字4年760年)ころか、なお鑑真は763年享年76歳で逝去
⑤ 鑑真がもたらしたもの
天台の経典
唐の仏教美術・唐招提寺の木彫仏像は平安時代の木彫仏のルーツか?
午後は、村上征夫先生による朗読のルーム講座でした。
・朗読とは<音声言語>で再表現する芸術
・声を出して読むことは寝そべっている言葉を起こすこと
・朗読は人格を反映する。文学は感動である。
また、朗読での社会への参加活動(ボランティア活動)について、音訳・対面朗読・施設への訪問 などを行っているということをお話しされたあと、朗読を聞かせてくださいました。
朗読の内容
・松山鏡(古典落語)鏡にまつわるお話と朗読
・蜘蛛の糸(小松左京)小松左京についての話と芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のパロディ版朗読
・中國四川省 黄龍・九塞溝旅行記 村上先生ご自身の旅行記をビデオを交えて朗読
・仇討三態その三(菊池寛)菊池寛と仇討ちについてのお話と朗読
一時間以上、鮮やかな活舌でじっくり聞かせたり、楽しませたり、ご自分の体験をお話しされたり、 本当に充実したひと時を過ごすことができました。