1月の最後の日を暖かく迎えました。梅の花もあちこちでほころび始め芳しい香りを漂わせています。
きっかけは美容院で読んだ週刊誌の本の紹介コーナーで今人気上昇中という「ぬけまいる」。『朝井まてか』なる小説家は初めて目にした名前です。「抜け参り」とは江戸時代、実際にあった関所抜けをした3人の女達の話しらしい。本屋で調べると売り切れとのことで、図書館で別な著書「実さえ花さえ」を見つけ、一気に読み終えてしまいました。
江戸の向嶋を舞台に、小さな苗物屋「なずな屋」を営む新次とおりん夫婦を描いた市井時代小説です。新次の職業は花師で、木や草花を栽培し、種から育てたり、挿し芽、挿し木、などの品種改良を行う職人。だからといって奇を衒うような品種改良ではなく、自然の良さを生かした育種、育苗をモットーとする地道な職人でした。
当時あった「花競べ」という品評会で、甲乙をつける武家の点者が、手を加えすぎた者に放つ言葉が良かったです。「人がいかに手を加えても、自然が作りたもうた美しさに適わぬ。花の育種とは、野山や川辺に珍らかなもの、美しいものを見出し、それを育て上げることから始まったのではないか」。
解説は「自然に手を出そうとする傲慢さー、命を人間のコントロール下に置こうとする現代に警鐘を鳴らしている」と続いています。まったく同感です。
「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」の出典は、「橘は実さえ花さえその葉さえ枝に霜降れどいや常葉の樹」(万葉集の聖武天皇)。ムラサキシキブ(紫式部)の花の命名に百人一首から取ってあるのも興味深かったです。
今、同著者による長崎の出島を舞台にシーボルトに仕えた若き庭師の奮闘物語の「先生のお庭番」を読んでいます。
きっかけは美容院で読んだ週刊誌の本の紹介コーナーで今人気上昇中という「ぬけまいる」。『朝井まてか』なる小説家は初めて目にした名前です。「抜け参り」とは江戸時代、実際にあった関所抜けをした3人の女達の話しらしい。本屋で調べると売り切れとのことで、図書館で別な著書「実さえ花さえ」を見つけ、一気に読み終えてしまいました。
江戸の向嶋を舞台に、小さな苗物屋「なずな屋」を営む新次とおりん夫婦を描いた市井時代小説です。新次の職業は花師で、木や草花を栽培し、種から育てたり、挿し芽、挿し木、などの品種改良を行う職人。だからといって奇を衒うような品種改良ではなく、自然の良さを生かした育種、育苗をモットーとする地道な職人でした。
当時あった「花競べ」という品評会で、甲乙をつける武家の点者が、手を加えすぎた者に放つ言葉が良かったです。「人がいかに手を加えても、自然が作りたもうた美しさに適わぬ。花の育種とは、野山や川辺に珍らかなもの、美しいものを見出し、それを育て上げることから始まったのではないか」。
解説は「自然に手を出そうとする傲慢さー、命を人間のコントロール下に置こうとする現代に警鐘を鳴らしている」と続いています。まったく同感です。
「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」の出典は、「橘は実さえ花さえその葉さえ枝に霜降れどいや常葉の樹」(万葉集の聖武天皇)。ムラサキシキブ(紫式部)の花の命名に百人一首から取ってあるのも興味深かったです。
今、同著者による長崎の出島を舞台にシーボルトに仕えた若き庭師の奮闘物語の「先生のお庭番」を読んでいます。
この頃は暖かくて、山行きも快適でしょうね。よく本を読むヒマがありますねぇ。私はどこへも行かず、かといって家事も手抜きつつ、読書しています。
あとはチケットが順調にはけるのを望むばかりです。
まかてさん、読み易くテンポが良いし、
読後感が爽やか!
直木賞候補になった
志川さんと違った味付けですよ。