4107.~小さな対話の積み重ねで~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「おもちゃ屋さんじゃなくなった」(6月16日)
おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。
授業のはじめ、Nくんに一週間の出来事を聞きます。
最近はNくんから話しだすことも多くなりました。
「映画を見に行った」、
そう教えてくれたNくんに、映画の内容や登場人物について質問をします。
「誰と見に行ったの?」、
「どこの映画館に行ったの?」
質問をつづける講師にNくんは言いました。
「おもちゃ屋さんじゃなくなった」
たまたま講師も知っている場所で、
映画館近くのおもちゃ屋さんが別の店に変わったことをNくんが言っているのだと気づきました。
「そうだね、ゲーム屋さんに変わったね」。
「おもちゃ屋さんのほうがよかった。先生はどっちがよかった?」
「Nくん! すごいねその質問!」
Nくんの質問に答えなければいけないのに、講師の口からは別の言葉が出ていました。
数年前のNくんは、講師が質問をしても
「わからない」、「言わない」、「今日は何をするの?」ばかりでした。
答えたくないというよりも、答え方がわからないといった感じでした。
それが今は多くの言葉を得て、さらにそれらの言葉を操る技術を得て、
講師とのあいだに複雑で豊かな会話をつくりあげています。
Nくんの世界が時間的にも空間的にも、想像力を駆使してぐんぐんと広がっているのを感じます。
「先生もおもちゃ屋さんのほうがよかったかな。Nくんといっしょだね」
◇ワンポイント・メッセージ
Nくん、すっかり対話を楽しめていますね。話したい、伝えたい、そんな気持ちがコミュニケーションの基礎です。自分の気持ちに加えて、相手(先生)の気持ちにも関心を持ち、それを言葉にして尋ねることができる、すばらしい成長ですね。授業の初めの対話の積み重ねがこのように発展するとは、やはり積小為大。