4697.~テストでは~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「読みとる力」(5月4日)
おはようございます。朗豊ゼミナール国分寺教室の萱沼です。
Mさんは、国語の読み取る力をはじめ、基礎力を高めたいとのお母さまのご希望で入会されました。
まずは漢字の力。書き順は少し癖がありますが、読みに支障はありません。
文章を読み取ることも問題なさそうです。
ただし読み取りすぎてしまうことがあります。いわゆる行間を読む力が強いのです。
主人公の気持ちに寄り添い、もし自分が同じ立場ならどう考えるかという視点で考える、
・・・国語のテストではなく読書感想文なら、素直ないい文章が書けそうな力があります。
たとえばこの前のテストでは、こんなことがありました。
「ごん」は葬列を見ながら何を思ったのか。
1、いたずらをしたことを悔いていた
2、だれが死んだのだろうと疑問に思っていた
答えは後者です。文章の中に書いてあるからです。
ですが、葬列を見ながら
「誰が死んだのかな」と思い
「兵十のおっかあだな」と思い
「おれがいたずらしてうなぎを逃がしてしまったからかな」と考え
「いたずらなんかしなきゃ良かった」と悔いる
この場面で前者を選んだとしても不自然ではないと思います。
テストなので点にはなりませんが、読解力がないというのも当たらない気がします。
テストでの点数のための指導は必要ですが、
Mさんの持っている常識力・思いやり・行間を読む力を評価してあげたいと思います。
◇ワンポイント・メッセージ◇
「この場面で前者を選んだとしても不自然ではないと思います」、そうですね。続くMさんの思いもその通りで、「ごん」の気持ちを良く汲み取っていますね。ただし、国語のテストでは残念ながら不正解となってしまいます。テスト作成者の「意図」があるからですね。でも、Mさんの読解力を評価し、共に作品を共感しながら味わえたことはより大きな意味で読解力を育てていると云えます。ことに物語の場合は、一語一句正確に読むことよりも、感じ取る心の成長がとても大切だからです。