日本の底力 (リメイク）

日本人

先日暑い日に、デジブック「ポットラック」を作りたくて昭和記念公園へ出かけた。
この日すでに風邪に侵されていて炎天下でフラフラの状態だったのを押して歩き続けた。
カメラ二台、三脚、簡易イスを背負ったり両手に持ったりしていた。
ポピーの丘まで辿り着いて日陰を選んで簡易イスを開いて座り、撮影の準備をしていた。
砂地の安定性のない場所だったがそこしか場所がなかった。ちらほらカメラマンがいた。
椅子の傾きを直すべく少し右にずらした瞬間に椅子もろとも転倒してしまった。
足が椅子にからみついてなかなか立ち上がれない。無様にも砂地でもがいていたのだ。
直ぐ側にいた若い女性が駆け寄ってきて「まず一旦立ち上がりましょうね」と言って
私の右腕のつけねまで彼女の腕を差し込んで引きずり上げた。体制を整える間その人は
そばにいた両親に「この方の服を叩いて埃を払ってあげて下さいね」と指示していた。
「ここは斜面だから危険なので此方にしましょうね」と言って、荷物を全部運んでくれた。
我に返って、あたりを見回したがその人達の姿はなかった。

上の事件のある数日前に、私は調剤を待って薬局にいた。見るともなく、見ていると
２５，６歳の女性がカウンターの前で自分の順番がくるのを待っていた。
大事そうに番号札を手に持っていた。が、彼女はしきりと後ろを振り向いて誰かを待っている
ようだった。そこまで、観察しているともうこの子は「頭が薄い」先天的に問題のある子だと分かっていた。
薬剤師が「３７番さん」と呼んだ。彼女の番だ。つかつかと近づいて、番号札を渡す。
クスリが袋に入れて渡される。薬剤師は「１５００円です」と言った。
その子は、しきりに後ろをふり向きながら「お金ありません」と返事をした。そしてもじもじしている。
薬剤師は「困ったなぁ、どうしよう」と初めてのケースのように困惑した顔つきだった。
「そのお金は私が払います」ときっぱり言って、カウンターで丁度１５００円を差し出した。
こうしてこの件は一件落着したのだった。頭の薄い子はもじもじしながら出て行った。
それから１５分も経ったろうか、先ほどの女性とその母らしい人が二人して入ってきた。
カウンターの受付の女性に向かった「あのー、この子お金を持っていないはずなのだけれど」・・
受付の人は何のことか分からず、薬局に入っていって、対応した男性を呼び出してきた。
その後のことは書かなくてもおわかりですよね。






キビタキはここからスタートして、もっともっと素晴らしい写真へと向かいたい。