私の父は、昭和の役所勤めだった。教育委員会が長かったせいで、日本の未来を支えるのは、理系人材だと確信していた。
そのせいで、私も、理系進学を目指していた。ところが、蓋を開けたら法学部法律学科。
法律には、全く興味が無かったので、初めのうちは、イヤイヤ大学に通っていた。
そのうちに、法学部って、結構、お得な学部だと感じるようになった。
司法試験に受かれば、判事、検事、弁護士。しかも、検事になれば、法務省のキャリア官僚にもなれる。
公務員試験全般に有利なばかりでなく、民間への就職にも有利。
会社に入ってからも、それは同じ。
会社の設立運営、取引、契約、クレームから反社対応、労働問題、紛争、訴訟、国際取引、M&A。全てリーガルマターだ。
法治国家の日本では、全てが、法の支配の下にある。だから、法を知る者が、この社会を制する。
そもそも、受験でも、文系は理系より、頭が多少悪くても、そこそこの大学に入れる。偏差値にしたら10くらい得をしている。
そんな文系の中でも、法学部は、この社会を生きるために不可欠な知識を与えてくれるのだから、本当に、ありがたい。
六法全書は、社会を生きていくための最高の指南署。いや、ビジネスにとっても最高の指南書である。
それは当然だ。法律は、この社会と構成員である人間の、あるべき姿や行動規範を、文字に落とし込んだ「バイブル」だからだ。
しかも、法律は、知らなかったでは済まない厳格なもの。本来なら、義務教育期間に、教え込まなければならないくらいだ。
この社会を生きるために不可欠な学問を、身につけた法学部生は、間違いなく有利だ。
青年よ、現実をよく見た方がいい。
総理大臣を初めとして、国会議員の多くは、法学部卒。官僚もそうだ。
民間企業だって、社長や役員の多くは、法学部卒。
青年よ、大志を抱きたければ、法学部に行けと言いたいくらいだ。