al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

ジョーン・サザーランド

2011年11月08日 | オペラ



マリア・カラスと並ぶ不世出のソプラノなのに、何故か日本では評価が低い。
その理由は後述するとして・・・彼女の声は凄い。というか、声そのものよりも装飾音符やトリルなどの技巧が凄い。
高音を薄くさっとなぞるように声を出すところとか。

Wikiによると、初来日時には既にオペラ歌手としては下り坂で批評家の不評を買ったことを不人気の原因としてあげているが、彼女が美貌の持ち主であったらもう少しましな評価を得たのではないかとも思う。ちなみに次の映像がその年のMETのものです。記述はありませんが、ひょっとして来日公演の録画かも。御歳49歳、ヴィオレッタはきつかったかも。冒頭に貼りつけた動画はこの10年前のものです。




パヴァロッティの伝記「王様と私」にも、サザーランドはその大柄な体格から共演者としてパヴァロッティを重用し、それが彼の成功に繋がった、と書かれている。次の動画をご覧になれば一目瞭然。




あの大きなパヴァロッティよりも大きく見えます。馬面で御世辞にも美人ではない。

昨日の記事にも書きましたが、オペラもビジュアル重視になってきているので、オペラ歌手も声や歌唱力、演技力だけでなく見た目も大事なファクターになってくるので大変ですよね。

でも・・ネトレプコの声もサザーランドの絶頂期の声と比べると・・重く感じちゃいますね。






METオペラビューイング

2011年11月06日 | オペラ
今シーズンの最初の上映、ドニゼッティの「アンナ・ボレーナ」を観てきました。

http://www.shochiku.co.jp/met/

指揮:マルコ・アルミリアート
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
出演:アンナ・ネトレプコ、エカテリーナ・グバノヴァ、スティーヴン・コステロ、イルダール・アブドラザコフ

デヴィッド・マクヴィカーの新演出ということですが、初めて観る演目なので”読み替え演出”に批判的な僕ですが、比較の対象がありませんから演出に関しては特に不満はありません。舞台装置はチューダー王朝にしてはシンプルながらやり過ぎではないし、衣装も素晴らしい。

アンナ・ネトレプコ演じるアンナ(笑)は、愛に苦しむ女らしさと、気が強く自分の置かれた状況に苛立ち、終幕の鬼気迫る狂乱の場面など、素晴らしい役者としても相変わらず見事に演じています。
出産してから太り気味でしたが、昨年の英国ロイヤルオペラで来日した時よりも更に恰幅が良くなり、マノンやトラヴィアータで見せてくれたセクシーな肢体が懐かしく感じられるほど。相変わらずの美貌なのですから、体型維持にもう少し頑張って欲しいと思っちゃったりします。来春もマノンに出演が予定されていますけど・・多分観ますけど・・あの体型だと何かイメージが(汗;

ネトレプコの素晴らしさに一歩も引けをとっていなかったのがエンリコ(ヘンリー8世)役のルダール・アブドラザコフ。自分がバス/バリトンなので、どうしても目が(耳が?)行きます。何というんでしょうか明るい響きなのに軽くない。キレのあるバス声です。役者としても目力が凄い。動作というよりも目で演じるタイプですね。それに男らしいイケメンでビジュアルもエンリコにピッタリ。

最近、ディアゴのDVDでオペラを見る事が多く、劇場と違ってアップで映されるので表情や口の開け方、身体の使い方などを注意深く観察出来るのですが、演技派のオペラ歌手は顔で演じていますよね。それも目!身振り手振りよりも目とか顔の表情が歌(声)に色を添えて曲に感情がこもるんでしょうか。そういう意味では、パヴァロッティは歌手としては世界一ですが役者としては大根?・・いや失礼、彼はその歌声だけで充分ですよね。

ペルシ役のコステロは、いかにもベルカントのテノールで、甘く響く素晴らしい声でした。甘いマスクでこれからオペラ好きのオバサマ方のアイドルになるかも(爆)

ジョヴァンナ役のグバノヴァは、何カ所かパーサージョで声が痩せた所があって、ちょっと気になりました。本調子じゃなかったのかな?役柄としてはアンナの侍女なのですがエンリコに愛されて、つまりアンナの恋敵になってしまい、アンナの処刑の一因となるんですが、見た目アンナよりも老けてるし美貌も劣るし・・一昔前のオペラではどうってことないんですが、最近のビジュアル重視の傾向の中では少し不自然さが残ります。

4時間近い上演時間。朝5時起きで出かけたのに睡魔ニモマケズ(笑)・・いや、休憩&軽い昼食後のACT2で女官たちの合唱の時に少し落ちかけましたけど(汗;)この素晴らしいオペラが3500円で観れるライブビューイングって凄いです。勿論、生の舞台には比べるべきではありませんが、来日公演の東京文化会館の窮屈な椅子で、又はNHKホールの4万円くらいの 遠い座席でオペラグラスでお目当ての歌手を追いながら慌てて字幕に目を移したりせずに、アップで映し出される歌手の表情や演技を楽しむ事が出来るんですから。しかもHD大型スクリーンと5.1chの素晴らしい音響で・・。NYで上演してからたった数カ月後にですよ。

さて、次はドン・ジョヴァンニです(^^

合唱は好きだけど・・・

2011年11月04日 | 合唱
何かこのところ、合唱をする気がおきません。
Fの会を抜けて、暫く合唱から遠ざかっていたせいかも知れませんが。
シンフォニエッタでは、まだ事前練習が続いていて合唱段階ではないしね(w

声楽の課題曲のフィリッポを練習したり、時間のある時はバーバラ・ボニーのオペラレッスンの録画を観たりしてると・・・

そしてバーバラの指導を真似ながら自分の変化を感じたりしていると・・

ああ、ソロってイイなあ・・・

と思っちゃうんですね。

だって、自分の気付きや、ちょっとした試しでナニカが変わる。その変化点を実感できるんだもん。

そして上手くいった時は、それを再現する。何度も練習して再現率を上げる・・身に付くまでね。

バーバラの指導に限らず、師匠の指導も具体的です。何が悪いのか、どこを直せばいいのか?そのためにはどうすればいいのか?

で、やってみる。どう変わった?

問題点が明確、改善の手段も分かっている、後は挑むだけ。結果もよく見える、良かろうが悪かろうが。

そこが大事!

合唱団だと・・・全てが曖昧(汗;

音程が違っても、拍が違っても、声がおかしくても・・誰と名指ししない。
自分は充分に応えているのに、出来ていない人が居る限り「もっと、まだダメ」
え?まだなの?それって僕ですか?僕はいいと思うんだけど・・

その内に調子を崩す( ̄□ ̄;

まあ、自信を持って「僕じゃない!」と知らんふりしてればいいんだろうけど・・

発声練習でも自分に合わない手法を強いられる時がある。
師匠とは違うアプローチをしたりする。

どうしよう?
やりたくない。やるとポジションが崩れちゃう。
でもやらなきゃダメ?
周りはみんな真面目にやってる。

やってるフリをしてみる。
多分、向こうからはフリだって分かるよね。

悩んじゃうんだよね・・・