ー ゆでガエル ー
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春耕。
今年初めて耕耘機を小屋から引き出した。畑に石灰をすき込む。冬の間、時々充電運転をしていたのでエンジンの調子はいい。
あと2週間ほどしたら肥料をすき込み、そのあと種まきになる。今年は腐葉土を使うつもり。
抗生物質が入っているかもしれないので動物のフンは使わない。
化学物質に神経を使うようになったのはいつ頃だったろうか。
何年か前、商用で東京・八重洲で開催された食品展示会に行ったことがある。その時、あるブースで “ 手品 ” を見た。担当者はまず、テーブルの上に白い粉の入ったキャップを3つか、4つ置いた。次にそれを混ぜてひとつにした。そして舐めてみろと言った。驚いたことにイチゴの味がした。
化学物質がこれほど生活の中に入り込んでくると、完全な化学物質抜きの生活は考えられない。農家は田んぼや畑に除草剤を撒き続けるだろう。今年から草取りは手でやろうという農家は多分1軒だって出てこない。また消費者にしてもこういうことに無関心な人も多い。
一方でかなり以前からガンや多動症、精子数の減少などさまざまな現象に化学物質が関連していると指摘されてきた(「奪われし未来」シーア・コルボーン他著翔泳社刊 に寄せられた元米国副大統領 アル・ゴア氏の序文参照)。
化学物質が増える分、病気も増える。俗に、カエルをお湯にいれてじわじわ温めてやると、気持ちがいいので茹で上がって死ぬまで湯から出ないという。
殺虫剤のついたキャベツを一度食べたからといって、その日のうちにひっくり返る訳ではない。多分、10年、20年とじわじわ食べ続けた結果、どこかの臓器が変調をきたすのだろう。
昔、大宅壮一がテレビが普及するのを見て、一億総白痴化と悪態をついたが、今や一億総ゆでガエル化の様相を呈している。ー私見である。悪態である。ー
畑に使う腐葉土は豚プンに比べると少し高くつくが、ゆでガエルにならないためにはやむを得ない。化学物質へのささやかな抵抗である。
(次回は ー 相続 ー )